マッチングアプリ。【オリオンの刻印】 (ページ32)

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ゆうまくんと展示室の中を歩いている。

写真撮影が自由で、パシャパシャと写真音がたくさん響く。

人が結構多くて1時間近く歩いていて、ゆうまくんとたまにはぐれそうになる。

「Aちゃん大丈夫？」

「うん！全然だいじょ、おっと」

すれ違う人の肩がとんとぶつかり、よろけそうになるのをゆうまくんがそっと支えてくれた

「ごめん、ありがと」

ゆうまくんに触れられていると思うとどきっとしてしまう

「…あのさ」

「うん…？」

ゆうまくんがそっと手を差し出した。

「よかったら、繋がない？」

「えっ！！」

差し出されたゆうまくんの手。

私より大きいけど、細くて綺麗な手。見惚れてしまう

…ってそんなこと考えてるんじゃなくて！！

「あ、いや！いやだったら全然断って。

人が多いからこのままだとはぐれそうだし、一緒に見れないな…って……」

こんなイケメンと…！？？

いやこれはもう手取るしかないでしょ！！

「もちろん！繋ごう！」

嬉しすぎて手を差し伸べて、ゆうまくんと手を取り合う。

「ありがとう、Aちゃん」

笑顔でゆうまくんはぎゅっと手を握り返してくれた。

そして、ゆっくりと足を進めてゆうまくんと残りの展示を見て回る。

人が多くて、ゆうまくんとの距離を縮めないと周りの人にぶつかってしまう

もう腕なんかぴったりくっついていて、傍から見てもカップルにしか見えないはず

でも何も言わずに私たちは距離を詰め合うだけ

こんな時間が長く続けばいいなって

ゆうまくんとこれからもこんな風にもっと一緒に居られたらって

そんなことを思っていた。

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あれから展示を見終わり、展示室を抜けて外にあったグッズ売り場を見ることにした。

相変わらずここも人が多いけど、ゆっくりと列に沿って見る

「わあ、あれすごい可愛いね」

ゆうまくんが指さしたのは少し先にあるストラップ

この画家さんのイメージキャラがうさぎで、うさぎの形をした白と薄いブルーの綺麗なストラップ

周りにゴールドの飾りがついている。

2つ買ったら装飾されているハート同士がくっつくらしい

「ほんとだ…！くっつけたらハートだって！かわいいい…」

その前まで列が進み、そっと二つ手に取る。

めっちゃ綺麗…！値段は700円くらい。これは欲しい

「…これおそろいにしない？」

「え？」

ゆうまくんが繋いでない方の手を私の手にそっと重ねた。