女王様、烏を飼う

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東「そういや、Aさんってジャンプサーブとジャンプフローター両方使えるんですよね。……すげぇ」


『サーブは得意だよ。数少ないセッターが全力でボール打てる瞬間だから。』






東「テレビでサーブ見た時ビビりました。まじでどっち打つのか分かんなかったです。」


『どっちかだけだとすぐ対応されちゃうから。でもサーブトスの高さがちょっと違うんだよ。』

東「そうだったんだ！すげぇ。」








東峰と話しながら山口のサーブを何本か見る

ネットにかかったり伸びすぎたりボールの変化がなかったりまだムラが多い


『トスがまだ一定じゃないからボール打つ位置がばらばらになってる。フォームは良いね。』

山「嶋田さんにも言われました…。」



『さすが嶋田さん。でもこの調子ならもっと上達できるよ。頑張れ！』

山「はい！ありがとうございます！」






西「Aさんも打ってくださいよ！レシーブしてみてえ！！」



東「こら西谷！男子はネットの高さも違うんだから…！」

『いいよ。もう男子のにも慣れた。』





西谷からのリクエストに答えるべくボールを拾い何度か回転させる




『フローター打つから。落ちるやつ。』

東「え！言っちゃうんすか！？」



『山口の練習だから。見てて。』

山「はい！」







エンドラインから数歩下がり助走の準備をする



『いい？』

西「いつでも！！」





相手コートで構える西谷を確認し、少し前へ高いトスを上げる

そして低い姿勢の助走から高くジャンプしボールを軌道に沿わせて真っ直ぐ叩く



山「はやッ」




ボールはネットの少し高めを早いスピードで抜け揺れながらエンドラインに向かって飛んでいく



山「…ッ」

西「ア…ッウト！！」




ギリギリまで粘りラインを超えると判断した西谷がボール見送る


しかしボールは軌道を変えラインの上ギリギリのところに落ちた






東「え！アウト！？」

西「くっそ！！入ってます…」



『はぁ、良かった。』

山「狙ったんですか！？」





『さすがにライン上は狙えないけど、あそこらへんに落ちてほしいなーとは思ってた。』

山「すごい…。」




西「もう一本打ってください！」








『ちゃんとイメージして、その通りにボールを動かすにはどうすればいいのか。何度もいろんな状況をシチュエーションしてみるといいよ。』


帰ってきたボールを拾いながら山口にアドバイスを続ける




西「Aさん！！」



『わかったから。』









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