小さな恋敵 �� ページ42
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自分も出会った時のAさんと同じ4年になった
あの頃は
わざわざ僕が寮を抜け出して家まで行かないと
下手すれば月に１、２回しか会えなくて、
よく文句を言って困らせていた気がするが
自分も同じ立場になって分かった
嫌になるほど任務と出張ばかり
特級という階級に託けて
1級とは名ばかりの無能な呪術師たちの尻拭いまでさせられる
フリーの呪術師になったAさんは
自分で任務を選別するため少し時間に余裕があるらしいが
禪院直毘人との縛りのせいで
急に呼び出されて京都に行くことが多い
僕が会いたくて堪らない時に
あのジジイが自分の好きなように着飾らせた
Aさんを連れて歩いてると思うと
後輩の伊地知を無意識に蹴飛ばしてしまうくらい無性に苛つく
まあとにかく、
僕らが甘い時間を過ごせる機会は本当に少ない
だからこそ
まったりと並んで他愛ないことを話したり、
一緒にどこかへ出かけたり、
昼間から恥ずかしがるAさんを可愛がったりしたい
「……嘘でしょ。何でいるの？」
「…。」
今日こそ大丈夫だと思っていた
平日だし、
午前中だし、
今日来ることをバレないよう気も付けてた
せっかくAさんの好きなアイスも
いつものやつも買ってきたのに
リビングのドアを開けて目に飛び込んだのは
僕を見た瞬間あからさまに嫌そうに顔を歪めて
Aさんの膝の上に寝そべっている不愛想な子ども
『いらっしゃい。お疲れ様。』
「ん。…お前小学生だろ？ちゃんと学校行けよ。」
せめて背凭れ越しでも
Aさんを後ろから抱きしめて、頬にキスして、
下にいる恵を見下ろしながら文句を言う
相変わらず父親にそっくりで余計に憎たらしい
「参観授業の振り替え。あんたこそちゃんと働いたら？」
「悪いけど、そこら辺のサラリーマンより何倍も稼いでるから。」
「何しにきたの。」
「大事な恋人に会いに来たんだよ。文句ある？」
「もう会えただろ。」
「はあ？お前が頭乗せてるその膝、僕のだからね。僕の許可なしにそんな事して良いと思ってるの？」
「アホくさ。」
「離…―」
生意気に言い放ち、わざとらしく細い腰に腕を回す恵
離れろ、と言いかけた所でAさんの手に口を塞がれて阻まれてしまう
『6歳と喧嘩しないの。恵も、これからはこの人にもお世話になるんだから。』
「…。」
「…。」
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縞(プロフ) - ゆきえもんさん» ご指摘ありがとうございました。修正しておきます。 (2021年1月28日 16時) (
レス) id: c197e34fed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきえもん - 33､34に使われている『役不足』は「能力に対して役が不足している」という意味なので『力不足』か造語ではありますが『役者不足』の方が合うと思います(後者は誤用だとツッコまれるかもしれませんが…)。とても好みの作品なのでこれからも応援しています。 (2021年1月27日 23時) (レス) id: eb1315ed8d (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ* - 初コメ失礼いたします。 チューベローズの続編が見たいです。大きくなった恵君との絡みや他のキャラとの絡みが見てみたいです。 (2020年5月17日 19時) (レス) id: cd2ef48f8b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - 初コメ失礼します。チューベローズの初恋の続編を見てみたいです！よろしくお願いします。 (2020年5月17日 10時) (レス) id: 2503e394d8 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメ失礼します。しにたがり姫の方も好きで続編を是非見たいのですが、チューベローズの大きくなった恵などを見てみたいです！よろしくお願いします！ (2020年5月17日 8時) (レス) id: 58d70e644d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縞 | 作成日時：2020年4月24日 15時
