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酔っぱらいを恨めしく思いながら
五条君の手から離れて近くのビルの屋上に上り
夜の京都の町を見下ろす
ただでさえ今夜は呪術師が多い
広範囲の呪力探索はあまり得意ではないけど
結っていた髪を解いて集中すると
少し離れた所で不自然に呪力がぶつかる場所があった
もう夜は更けているし、
早くしないとまた文句を言われそう
いちいち下に降りて移動するのも馬鹿らしく、
そのまま術式を使って飛び降り
最短距離で目当ての場所へ向かうと
一台の車を取り囲んでいる数名の呪詛師がいた
それなりに呪力も強く、
高そうな呪具も使っている
『…一緒に潰れても文句言わないでよ。』
そのまま車の上に着地して
驚いている敵も、今にも死にそうな護衛も無視して
積もった苛立ちを発散するように
周囲の重力を一気に上げて全員を這い蹲らせる
車は私が触れているので無事だが、
生身で中にいる直毘人にも少しくらい影響はあるはず
だが要は傷を付けなければいい
多少痛めつけても、不満を言われる筋合いはない
「！！…やめろA、」
『助けに来たよ、直毘人様。大丈夫？』
「いいから早く解け！息が出来んわ！！」
『ああ、ごめん。急いでたから。…でもまだ倒せてないから、もうちょっと待っててね。』
窓から顔を出して顔を赤くしながら怒鳴る髭面に
気分を良くしながらわざと煽ると更に声を張り上げて怒られた
「貴様！縛りを破る気か！？」
『注文ばっかり。…気絶くらい我慢したら？』
渋々力を弱めて
車の中でゼエゼエと息が上がっている直毘人を引っ張り出す
術式が解かれ
動き出した呪詛師から距離を取って
空いた方の手で小さな黒い”核”を放ち掌印を結ぶ
『 ―
核を中心に
護衛も、呪詛師も、車も、周囲のゴミや石も、
磁石にくっつく砂鉄のように強引に引き寄せられ
歪な形の大きな塊となって宙に浮いている
「なっ…、」
目の前の光景に目を丸くして驚く直毘人
私が手を離せば自分もあれに加わることを察しているのか、
暴れはせず、ただ鬼のような形相で睨んでくる
『なに？』
「誰が部下まで始末しろと言った。」
『大丈夫だよ。殺さないくらいの手加減はしてある。』
「…ちっ、」
『私を扱き使う時はもう少し考えた方が良いね。次に駄々こねたら、貴方以外全員殺す。』
「…調子に乗るなよ。」
『そっちこそ。』
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縞(プロフ) - ゆきえもんさん» ご指摘ありがとうございました。修正しておきます。 (2021年1月28日 16時) (
レス) id: c197e34fed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきえもん - 33､34に使われている『役不足』は「能力に対して役が不足している」という意味なので『力不足』か造語ではありますが『役者不足』の方が合うと思います(後者は誤用だとツッコまれるかもしれませんが…)。とても好みの作品なのでこれからも応援しています。 (2021年1月27日 23時) (レス) id: eb1315ed8d (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ* - 初コメ失礼いたします。 チューベローズの続編が見たいです。大きくなった恵君との絡みや他のキャラとの絡みが見てみたいです。 (2020年5月17日 19時) (レス) id: cd2ef48f8b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - 初コメ失礼します。チューベローズの初恋の続編を見てみたいです！よろしくお願いします。 (2020年5月17日 10時) (レス) id: 2503e394d8 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメ失礼します。しにたがり姫の方も好きで続編を是非見たいのですが、チューベローズの大きくなった恵などを見てみたいです！よろしくお願いします！ (2020年5月17日 8時) (レス) id: 58d70e644d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縞 | 作成日時：2020年4月24日 15時
