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結局その日は寮に帰らなかった五条君だったが、
次の日の学校終わりに夜蛾先生に捕まり
高専から出られなくなったと連絡がきた
私の方は仕事は昼間で終わり、
彼とメールでやり取りしながら自宅へ帰る途中に
エントランスでスーツを着た見かけない男性に行く手を阻まれていた
「初めましてだな。俺はアンタを知っているが…」
『…？』
「孔 時雨だ。仕事は主に依頼の仲介だ。香月Aで間違いないよな。」
日本語が流暢だが名前や顔立ちからもたぶん外国籍の人だろう
それほど強くはないが呪力も感じる
『仕事の依頼ですか？』
「話が早いな。怪しまないのか？」
『貴方くらいならどうとでもできるし、裏がありそうなら高専に報告すればいい。』
仮にも一級呪術師なのだから、
身に降りかかる予想外の危険くらいは自分で取り払える
この場にいるのは彼1人のようだし、
背後に組織があったとしても後は高専に任せておけばいい
「大した女だな。あいつが柄にもなく入れ込むのも納得だ。」
『…あいつ？』
「伏黒甚爾。数日前に死んだよ。殺したのは高専の学生だ。」
『…っ』
もう痕すら残さず消えてしまった
最後に彼に付けられた首の傷に手を当てる
もう会わないと思っていた
でも、こんな形になるとは思ってなかった
呪力がなくても、彼はそこらの呪術師より遥かに強い
そんな彼を殺した高専の学生、
頭の片隅では認めるのを拒みながらも
はっきりと思い浮かんだのは愛して止まない彼だった
『…五条、悟』
「…ああ。お前の恋人だ。」
会ったこともないこの人が
なぜ私と五条君の関係を知っているのか引っかかったが、
それよりもこれから告げられる言葉が気になって仕方がない
―なぜ私に、誰が、何の仕事を、―
軽く考えていた仕事の依頼が
まだ聞いてもいないのに胸をざわつかせる
「依頼主は伏黒甚爾。報酬はなし。…聞くか？」
『…聞く。』
勿体ぶる様に焦らす男に苛立ちながら
場所を移すように車に案内され大人しく乗り込む
緊張しているのか
手は冷たくなり、喉が乾く
メールの受信を知らせるバイブ音にも気が付かず
薄暗くなる空を眺めながら車に揺られた
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縞(プロフ) - ゆきえもんさん» ご指摘ありがとうございました。修正しておきます。 (2021年1月28日 16時) (
レス) id: c197e34fed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきえもん - 33､34に使われている『役不足』は「能力に対して役が不足している」という意味なので『力不足』か造語ではありますが『役者不足』の方が合うと思います(後者は誤用だとツッコまれるかもしれませんが…)。とても好みの作品なのでこれからも応援しています。 (2021年1月27日 23時) (レス) id: eb1315ed8d (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ* - 初コメ失礼いたします。 チューベローズの続編が見たいです。大きくなった恵君との絡みや他のキャラとの絡みが見てみたいです。 (2020年5月17日 19時) (レス) id: cd2ef48f8b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - 初コメ失礼します。チューベローズの初恋の続編を見てみたいです！よろしくお願いします。 (2020年5月17日 10時) (レス) id: 2503e394d8 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメ失礼します。しにたがり姫の方も好きで続編を是非見たいのですが、チューベローズの大きくなった恵などを見てみたいです！よろしくお願いします！ (2020年5月17日 8時) (レス) id: 58d70e644d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縞 | 作成日時：2020年4月24日 15時
