チューベローズの初恋 続【呪術廻戦】

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万年人材不足の呪術師の交流を図るため
不定期で開催される懇親会



思い起こせば先週くらいに招待状が届いていた気がする

学生の頃、1度だけ冥さんの付き添いで参加し、
辞めてからは 行け と催促する人もいなかったので
放置し続けていた






呪術師の世界は狭く、噂もすぐに広がる
幸い、京都で開催なら東京校組はほぼ来ていないだろうが、
禪院家の当主の下に付いたことは
じき伝わってしまうだろうと自然とため息が零れた







「遅い。酒。」

『もう飲んでんの？』






一級以上の集まりとなると
一人一人の呪力はそれなりで呪いの気配が歪に混じり合い
人が混みあってはいないが気持ちが悪い

おまけに、久しぶりに公の場に出たせいで
視線が痛くて居心地も悪い

興味、好意、傍観、軽蔑、嫌悪

―目は口程に物を言う―




よく言ったものだ、と他人事のように考えながら
特に気にもせずに直毘人の所へ向かった







「お前も飲め。」

『…下戸なんで。』







通りかかったスタッフから1杯受け取り要望通りに渡すと、
空いた隣の席を叩いて座るよう命じられる

顔を歪めていると 命令だ、と念を押され
大人しく座り、足を組んだ


禪院家当主に取り入ろうと必死の取り巻きを眺めながら
おだてられて上機嫌な男に呆れる








「もっと愛想よく出来んのか。ほれ、隠居共に酒でも注いで来い。」

『美人局でもして来いって？冗談じゃない。』





「お前を連れて歩くと俺を嫌う連中が嫌そうな顔をする。気分が良いな。」

『…こっちは気分悪い。』








良くも悪くも、それなりに私の顔と名は知れている

学生の分際で京都校の副学長を殺しかけた一件然り、
例のない術式や天与呪縛は目立ちやすい

高専を中退し、2年以上表での消息を絶っていた女が
突然禪院家当主の隣に現われたことも
輪をかけてこの鬱陶しい視線の原因だろう









『いつ帰っていいの？』

「お前を見せびらかせたなら目的は済んだ。あと1時間飲んだら帰る。」





『それ、一緒に付き合わないといけないの？』

「当たり前だ。3日目で縛りを破るつもりか？」








『…。』

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