チューベローズの初恋 続【呪術廻戦】

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久しぶりの京都は途中までは順調だったが、
禪院直毘人の最後の発言によって
やはり最悪なものになってしまった



個人と縛りを結んだせいで、
あの男の部下や分家の者がそれを破っても問題はない

どおりで大人しく引き下がったわけだ
呑気に酒を注いでいた自分を引っ叩いてやりたい




新幹線に揺られながら
まだ冷めない怒りを紛らわすように景色を眺めた









「若いな、香月。まあ安心しろ。お前がうっかり俺の家の者を殺しても不問にしてやる。」





別れ際に笑いながら言われた言葉

恵目当てに近寄った者を殺していいという当主の承認と
この言質が取れただけでも来た甲斐はあったかもしれない





いとも簡単に騙され、5年とは言え面倒な縛りを引き受けてしまった


5年後―
津美紀は12歳、恵は11歳、私は26歳

26まであの髭にこき使われるのかと思うとゾッとするが
最近の悩みの種が少し取れたのは有難かった









『…。』





あのまま酒の相手をして始発の新幹線に乗ったため
怒りが収まると今度は眠気が襲ってきた

東京で乗り換えるまではまだ2時間弱ある
眠りに付こうと背凭れに深く沈むと携帯のバイブが鳴り
画面を開くとさっきの髭からメールが届いていた


年寄りのくせに機械に強いことさえ癪に障る









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明後日の夜、
京都で一級以上の呪術師が招待される懇親会がある。


せいぜい着飾って来い。






命令だ。







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『……嘘でしょ。』

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