チューベローズの初恋 続【呪術廻戦】

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『似合わないなー。ランドセル。ほんとに6歳？』

「ほらっ、もっと笑って！恵！」





「いいから早く撮れよ、もう。」







登校初日の帰り道
わざわざ家に寄って恵のランドセル姿を見せに来てくれた津美紀

記念に近所に咲いている桜の木まで移動して
2人で並んで写真を撮ろうとするが
早くも2度目の反抗期に入った恵はニコリとも笑わず仏頂面のまま


津美紀が無理やり頬を引っ張って口角を上げると
さらに酷くなった目つきに
もう諦めてシャッターを切った






『子供の成長は早いね。もう抱っこは難しいかもしれない。』

「恵まだAちゃんに抱っこしてもらってるの？恥ずかしい〜」





「Aが勝手にしてるだけだろ！」

『え。嫌がんないから嬉しいのかと思ってた…』






「嬉しくねえ！」

『はー。可愛くないなぁ、』

「恵ね、Aちゃんが仕事でいない日も遊びに来てるんだよ。」





『知ってるよ。ちゃんと使った食器洗って帰ってるもんね、恵。』

「！？」




『残穢が残ってるからバレバレだよ。消し方は教えたよね。』

「そんなすぐ出来るかよ…」







バレてないと思っていたのか顔を赤くしてそっぽを向く恵

津美紀のお母さんが帰ってこなくなったと聞き、
2人には家の鍵を渡しておいた

勝手に使っていいと言っておいたので悪い事ではないのだが
悪戯がばれたようにバツが悪そうに俯いている







『来るのは良いけど、ちゃんと津美紀と一緒に居るんだよ。約束したでしょ。私は恵を守るから、恵は津美紀を守るって。』

「…分かってる。」





小1にしては達観で、愛想がない恵だが
たった1人の家族である津美紀のことは大切に思っているようで

　津美紀を守る という約束をしてからは
呪術の勉強も嫌々ながら真面目に聞くようになった




もう6歳、
いつ禪院家が恵の所に現われてもおかしくはない



現に雇われた呪術師が
何度かこの町にも足を踏み入れている









『…どうしようねぇ、…』


「何が？」







『…別に、』









どうすればこの2人を守れるのか、
最近はそればっかりだ

逃げてもすぐに追いかけてくるだろうし、
今までのように片っ端から追い払っていても
ずっと2人に付きっきりではいられない




もう面倒になって、禪院家を潰せばいいのかと
莫迦な考えも一瞬よぎったが
もっと面倒になりそうですぐに考えるのは止めた








『…ここからは力だけじゃ守れないって話。』


「…？」

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