チューベローズの初恋【呪術廻戦】 (ページ8)

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『交流会？私4年ですよ？なんで参加しなきゃいけないの？』

「参加というより警備だ。」

『…仕事ってことですか？』

「ああ。京都校の学長代理がお前を指名している。知り合いなのか？」

『誰よ。京都に知り合い居ない。』

「…だろうな。…、断ってもいい。何か企んでるのかもしれん。」

職員室前で説教食らってから2カ月くらいが経ち
出張帰りの休みの日に見計らったように夜蛾先生から電話が入る
内容は来週東京高で行われる姉妹校交流会の召集だった
２、３年生が主役の大会に京都校の学長のお守りとして参加する
来るのは代理の副学長で
最近生徒の評判が悪い東京高で身の安全を確保するため
上級生の1級呪術師を護衛に付けるよう要請されたそうだ
京都校の学生は任務で忙しいから連れてこられない、
2日間どこに行くにも常に同行すること、

確かに何か裏がありそうな内容に引き受けるか悩むが
報酬の額が悪くない

「一応だが、18時には返却してもらうよう伝えてある。」

『教え子を図書みたいに扱うなよ。』

「校内から出ることはないと思うがな。」

『…ん。いいよ。隣でお茶注いでニコニコしてればいいよね。』

「茶なんぞ自分で注がせろ。不快な思いをしたらすぐに辞めていい。俺は反対した案件だ。」

『反対したのにわざわざ電話してくるなんて、本当に私の事好きだよね。卒業したら嫁になってあげようか？』

「願い下げだ。」

『手厳しい。』

指導と顔面は厳しめだが
担任じゃなくなってからも定期的に身を案じてくれる良い先生だ
次は学校で、と簡単に別れの挨拶を済ませ
携帯をテーブルに置く

去年は任務で参加できなかった交流会
参加するなら面倒だが
観戦するのは案外楽しいかもしれないと少し胸が躍った

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「誰から？」

『学校の先生。』

「…男？」

『脳筋めのおじさん。』

「ふっ、じゃあいいや。」

もう一度眠りに付こうとベッドに戻り
隣で寝ていた”はるき君”の腕の中に収まる

出張先で知り合った呪術師ではない一般人の大学生
夏休みは東京に帰省するということで
昨日こっちで待ち合わせするよう以前から約束していた

呪術師ではない男の人は変に高いプライドも育ちの良さもなくて
一瞬だが呪術のことを忘れさせてくれる
普通の19歳のちょっと軽い女として私を見てくれる

自分とは違う世界で青春を謳歌している彼との
この曖昧で軽薄な関係が心地良かった