チューベローズの初恋【呪術廻戦】 (ページ35)

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傷の痛みと貧血以外には特に異常はなかったので
鎮痛剤と鉄剤を処方され退院となった

死亡扱いまでされた重症者にも上層部は容赦なく、
次の日には都内での任務が夜蛾先生からわざわざ電話で知らされた

「すまん。せめて2年を同行させる。」

『いいです。十分回復したので。』

「もうそっちに向かっている。」

『……そっち？…まさか、』

嫌な予感と共に
来訪者を知らせるインターホンが部屋に鳴り響く
モニターを確認すると怪しい黒い服で全身を覆った
大柄な男性2人がえらくニヤついて立っていた

『現地集合でしょ、普通。なんで住所教えるかなぁ…』

「特に五条がしつこくてな。すまん。」

『…。』

「俺には生意気だが、お前には従順だろう。好きに使っていい。」

既に来てしまったものはどうしようもなく
夜蛾先生との通話を切る

下の二人には降りるから待って、とだけ言い残し解錠はキャンセルし、
開けろよ、と文句が聞こえているが無視して
鎮痛剤を飲んでから部屋を出た

「早いね先輩。女の準備って無駄に時間かかるのに、」

『それは男に会う時でしょ。呪霊祓うのにお洒落してどうすんの。』

「十分綺麗ですよ。」

『…。』

「なんです？」

『いや、顔が良いと思って。』

「はあ？」

雑談しながら補助監督が運転する車に到着すると
助手席に乗り込もうとする夏油の顔を見つめ呟くA

それを聞き、気に障った五条が車内から腕を引っ張って
倒れ込むように後部座席に座らせた

「一昨日のセリフ、思い出させてやろうか？」

『…いいです。』

「ダメですよ先輩。悟の機嫌が悪くなる。」

『顔褒めただけじゃん。ヤキモチ妬きなの？』

「アンタの日頃の行いのせいだろ。」

『五条君も女友達多いって硝子が言ってたけど…』

「先輩のおかげで最近は綺麗サッパリですよ。メールも電話も出なくなったしね、悟。」

『なにそれ。…可愛い。私のせい？』

「その顔やめて。」