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大きな敷地内には学校施設と寺社 仏閣が不自然に共存し
どこを歩いても、中も外も、すれ違う人さえも
伝統や格式に目がない呪術師がいかにも好きそうな厳かなものばかり
都内にしては緑も虫の鳴き声も多すぎる

日本中の呪術師の拠点となる、
京都と対をなすここは東京都立呪術高等専門学校

それなりの呪力と術式を持って生まれてしまったばっかりに
中1の夏にサイドにラインが入ったむさ苦しいおじさんに捕まり
その後3年間付きまとわれ半ば強引にここへ入学させられた

今考えてみれば
呪術師の血は混ざっていないにもかかわらず
可笑しな天与呪縛まで付与されこの世に生まれてしまった私に
呪術師になる以外の道はなかったのだろう

もう4年も呪霊や呪詛師を相手に呪いに明け暮れ
さらに呪術界の面倒なあれやこれやに揉まれてみれば
案外やっていけるものだと人間の適応力に関心までする



花の18歳を丸々海外で過ごす羽目になったこと以外は
収入も良い呪術師という職は悪くはない



このぬいぐるみマニアのおじさんを除いては、






「任務が終わった後は顔を出せと何度言えば分かる。もう4年なんだからいい加減決まりは守れ。あと俺がやった人形は捨てるな。せめて家までは持って帰れ。」



『報告書は補助監督の人に渡してるし、来ても特にやることもないでしょ。監視用の人形持って帰るなんて嫌ですよ。デザイン凝ったって飾らないのでやめてください。』





補助監督の人に用があり久しぶりに高専に来てみたら
最悪なことに夜蛾先生に見つかりそのまま指導、もとい説教が始まった
わざわざ職員室の前まで連れてこられ
手乗りサイズのウサギのぬいぐるみを渡される




「学生の間は校則を守れ。お前は特別に寮生じゃないから学校の目が届かん。これがあればお前が夜間不要な外出をしていないか分かる。いいか、絶対に捨てるな。」


『もう19ですよ。夜間外出は必須でしょ。』





「調子に乗るなよ。お前には1級呪術師の自覚が…」




昇級してから散々言われた小言を聞き流そうと思っていた所に
曲がり角の向こうから近づいてくる人影を感じ
外していたフードを深く被る
高専に来るのが面倒な理由の1つでもあるこの行為
しかし下級生が来ているのなら仕方がない




「あ、先生いたよ2人とも。」

「硝子サングラス返して。あ"、指紋付けんなって言ってんだろばか!」

「潔癖かよ。…あ!香月先輩だ!」

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(プロフ) - 凄い面白いです!休校中の楽しみですねもう。更新応援してます! (2020年4月13日 10時) (レス) id: b1b211da94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月11日 13時

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