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大野くんのクラスのチラシを、自室の壁に貼ろうとしていた自分に。
また一つ、ため息をつく。
・・・何をしているんだ私は。
そう高鳴る鼓動に言い聞かせて。
机の引き出しに、チラシを、そっとしまった。
「どこ回るー？」
ほんの束の間の自由時間。
クラスTシャツを着たももちゃんが、振り返る。
「んー、ももちゃんの好きなとこでいいよ」
「もう！何それ！あ、大野くんのクラス行く？」
「えっ」
「結構評判いいらしいよ、着ぐるみカフェ」
「いや、いやいやいや。いいよ、」
「なんでよ。行こうよ」
「いいって」
「えーっと・・・。あ、３階だ。ほら！行くよ！」
「えっ、ちょ、ももちゃん！」
「もも？」
ももちゃんが私の手を引いて階段を登り始めたとき、後ろから誰かに声をかけられて。
立ち止まって、振り返る。
「健一くん！どしたの？」
「ももこそ」
「えっ、嘘！元気してた？」
「まあね」
健一くんとか言う彼が、階段を駆け上ってきて。
私の横に立ったら、「こんにちは」って爽やかな笑顔で会釈した。
「こ、こんにちは」
「こちら、同じ中学だった健一。で、この子は私の友達のA。」
「Aちゃん、よろしくね」
「あ、はい。よろしくお願いします」
キラーンって。
効果音のつきそうな笑顔で笑った。健一、くん。
「で、健一は何してんのこんなとこで」
「俺は妹が一年生で劇やるって聞いたからさ。見に着たんだけど開演までまだ時間あって」
「えー！一年生なんだ！何組何組？」
「確かー・・・２組？だったかな。なんかあの、男女逆転シンデレラのとこ」
「あー！１年２組だよ、それ」
ももちゃんが、こんなに男の子と親しげに話をしているところを見るのが初めてなぐらいももちゃんと健一くんは盛り上がって。
私はちょっと退屈で。
どこかによけていようかと動いたときに。
体が、ぐらって。
階段を踏み外して。
背中から落ちて行く感覚に、
ももちゃんと、振り返る健一くん、の顔。
咄嗟に掴もうとした手すりは、
するっと手からすり抜ける。
世界が、反転する。
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ネズム(プロフ) - 鮎さん» はじめまして！初コメです！嬉しいです！ありがとうございます！そして何より、拙い文章ながら試行錯誤してかいておりましたので、鮎さんがこれを読んでいろいろ思っていただけただけで、大満足でございます。これからもよかったら時々顔を出して読んでいってください！ (2017年11月6日 22時) (
レス) id: ea39950ee4 (このIDを非表示/違反報告)
鮎 - はじめまして。このお話を読んで泣いてしまいました、私も最近恋を諦めたばかりで心で何度も唱えてることや行動などが夢主ちゃんと全く同じで共感してしまいました。文章力もあってとても話に入りやすかったです。作者様のペースで更新頑張ってください！ (2017年11月5日 0時) (レス) id: 9575d97aba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネズム | 作成日時：2017年11月4日 12時
