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「だから死ぬって言ったでしょう」
どこかから聞こえた、そんな声に今日も目が覚めて。
１人で厨房に降りて。掃除をして。
「あの、櫻井翔さんですよね？！」
「え。あ、はい」
「ファンです！写真一緒に撮ってください！」
「じゃあ俺取るよ」
「ありがとうございます！」
ここぞとばかりに他校からやってくる、翔ちゃんのファンたち。
もはや相葉ちゃんと私は写真担当みたいで。
「色男だね〜」
「ね〜。やだやだ、」
「おいA！やだって何！」
文化祭の、人の多さが。
全て隠してくれる。
全て。
そんなはずなのに。
人混みの中にいる、大野くんを、見つけて。
一瞬、針がおかしいほうに触れるけど。
「A？大丈夫？」
「あ。うん。」
「ぼーっとしてたでしょ」
「うん」
「もー！あ！おーちゃんだ！おーちゃーん！」
あっ、てこちらを見た大野くんが、
「すみません」って人をかき分けてこちらに来て。
「いたいた」って笑顔で翔ちゃんに言った後、ちらっと私を見た。
「どしたの智くん」
「いや、その。Aちゃんに渡して欲しいものがあったんだけど。いるから、直接渡すよ」
「・・・え、私？」
「うん」
「え、何」
「・・・」
「はい」
私も。翔ちゃんも。相葉ちゃんも。
何が出てくるのか見てたら。
大野くんが、自身のクラスのチラシを差し出して来て。
私は、それをつい受け取ってしまう。
「Aちゃん、文化祭実行委員長でしょ？」
「あ、うん。」
「だから、どんな出し物があんのかとか、見にきてくんねーかなー、って」
「ちょっとおーちゃん！それ宣伝じゃん！」
「悪いか！」
「どうせなら俺たちにも宣伝してよ！」
「そーだそーだ！」
「いいじゃん！お前らなんなら言わなくて来るだろ！・・・来てね。Aちゃん」
「ありがとう。時間あったら行くよ」
「うん。ありがと」
大野くんには、もう期待はしないって。
決めてたけど。
決めてたけど。
そんな決意すら、馬鹿みたいだ。
「あの！櫻井先輩！一緒に写真、撮ってもらってもいいですか？」
「あ、はい。いいよ」
「じゃあ俺撮りまーす」
翔ちゃんと、相葉ちゃんが。
写真撮って、撮られている間。
手元にあった、折りたたんだその大野くんのクラスのチラシを開いて。
よく凝ったデザインのそれを、なんとなくひっくり返したら。
裏にちっちゃく。綺麗な。大野くんの字で
「後夜祭の花火はよかったら一緒にみてください。明日の夜、教室で待ってます」
これじゃあ見逃すんじゃないか、って思うような。
そんな、大野くんの字が。
私の感情の針を動かそうとしてくる。
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ネズム(プロフ) - 鮎さん» はじめまして！初コメです！嬉しいです！ありがとうございます！そして何より、拙い文章ながら試行錯誤してかいておりましたので、鮎さんがこれを読んでいろいろ思っていただけただけで、大満足でございます。これからもよかったら時々顔を出して読んでいってください！ (2017年11月6日 22時) (
レス) id: ea39950ee4 (このIDを非表示/違反報告)
鮎 - はじめまして。このお話を読んで泣いてしまいました、私も最近恋を諦めたばかりで心で何度も唱えてることや行動などが夢主ちゃんと全く同じで共感してしまいました。文章力もあってとても話に入りやすかったです。作者様のペースで更新頑張ってください！ (2017年11月5日 0時) (レス) id: 9575d97aba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネズム | 作成日時：2017年11月4日 12時
