光に熔ける 【名探偵コナン】

484─── ページ10

それから200年が経って、下っ端なのは変わらないが、荒神というレッテルをはられた僕は、とある悪友からとあるゲームを聞いた。


『最高神を決める？』


何を言っているんだ、僕らはそれぞれに意味のある神様じゃないか。


例えば君が彼処の土地神のように、


僕はここに住まう荒神ように、


『なんの最高神を決めるって言うんだい』


『馬鹿だなぁ水(ミズ)のは、いいか、我々神は人間みたく出来のいい法律やらなんやらはないだろう』


それだけ人間が優れているってこった、という彼に一体何が言いたいのかが分からずに溜息を吐いた。


『まあ……それはそうだが』


事実なので否定はしないでおく。


それがなくとも神はそれぞれで自立出来ているだろう、出来ないとすればとんでもないワガママ野郎か生まれて間もない神くらいだ。


『そして年々、俺たちの信仰は一部を除いて減少しつつある』


『そうだな』


『戦争はなくなっても、最近人がよく死ぬのは知っているな』


『まあな』


『それをな、オオクニヌシのやつが心を痛めたらしくて、何とかしてあげたいんだと』


白兎を撫でながら欠伸をしているあれの姿が目に浮かんだ、荒神と認識されるようになってからは神奈月の会議に招待されたのだ。


僕がその経緯を話すと、彼は苦笑して気の毒そうに“嗚呼、人間だもんな”と呟いたのをよく覚えている。


真逆それが原因だろうか、いや少なくともそれだけでは勿論ないと思うのだが。


『そこで彼が開催したのは、俺たちがそれぞれ一人選んだ人間を神様にするなり人間にするなりして俺たちの存続も維持するってこった』


『……人間を人間にする？』


『俺達が選ぶ人間は、死んでいてかつ、人を一人以上殺しているっつーのが条件だからな』


『……それじゃあこの世界の理がめちゃくちゃだろ』


『いいんだよ、ヤバいやつがゲームに勝利したらそいつを平行世界にでも送って勝手に殺しとけばいいってのが彼奴の考えだ』


『……』

485───→←483───

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す