光に熔ける 【名探偵コナン】

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パッと離す、私がそう言うと、彼はばたりと行き場を失ったように背中から倒れ込んだ。


水を操るそれで、彼の体を触り倒れさせた。


彼の体の時間を遅れさせて、血流を操り、呼吸をもしづらくさせた。


最強の頭脳でさえも、ここまでやれば大丈夫だと思えるくらいには彼を苦しめた。


何の抵抗もなかった訳では無いが、それでも、私の大切な物を奪われるよりは殺した方がいいとさえ思えた。


もちろんあの電車の中の惨状を覚えてない訳では無いし、私がどれだけ罪深いか、どんな罰を受けるべきかは誰よりも知っている。


それでも、別に罰を受けても、いいのだと。


それでいいと、地獄に落ちたとしても、自分が誇れることなら、それでいいと。


そういう意味で、私は、本当の意味で、一つ目の世界の謎(みれん)を克服したのだった。


「……きみは、」


「…………」


「きみは、したたかだなぁ、」


「…………」


「ぼくのともだちも、それくらいだったら、」


「………………、」


「そしたら、ぼくは、ぼくで、」


「君は君だろう」


「……、……、」


「折角、2度目の人生を、好き勝手して、挙句私達に殺されて終わりの、傍迷惑な奴」


「…………、…………、」


「何が理一だ、理もクソもないじゃないか」


「……は、」


「聖にも、程遠いな、お前は。


聖夜、聖夜がいい。


君の名前は聖夜の方がずっとお似合いだ」


クリスマスを迎えられない彼への皮肉をこぼすと、彼はもう返事すらしなかった。


「初めて知ったよ」


「………………、…………」


「君は案外、馬鹿なんだな」

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