光に熔ける 【名探偵コナン】

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そうやって私はもう一度、既に崩壊しかけた塔を駆け上がっていた。


どこから見てももうボロボロなこれをまだ神々に対する反逆の(バベルの)塔と言ってしまうのだから本当に笑い話である。


こんなものであんな理不尽の体現とも呼べるあれに勝てるのか？


十中八九、いや九分九厘無理だと断言しよう。


幸い最上階は紺色のお空が見えているが無事だった、例の装置も無事らしい、あのパスワードはバレてしまったが。


彼の記憶によるとこの塔の爆発はたっくんが仕掛けたらしい、それと同時に海外に仕掛けられている核爆弾も解除したみたいだ。


彼らしい大胆な行動に頬が緩んだ。


さて、ここから塔の頂上まで登って行くのは時間がかかる、ので鳥山さんが降谷氏とジンさんを避難させるのを待とう、予想ではもう数分で来るはずだ。


決着は10分で決める。


私の残りの手札は空き補正の2つと鳥山さん、さっさと空き補正を決める必要がある。


というのも、補正というものに私たちは勘違いをしていたことを明言しておこう。


そもそも、“補正”は神様からのギフトとでも言い換えれば良かったんだ、けれど誰1人そうしなかった。


転生者はまず最初に神様から、『補正をあげる』と言われるのだから。


だから私たちは神様からのギフトをそう呼んでいた、しかしここに落とし穴、私たち転生者は人を助ける度に自らの寿命をその人に均等に分けなければならない。


そして助けることが出来れば『補正』が手に入る、一見得なように見えて実はやばいものだったのだ、ギフトなんて代物じゃない。

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