光に熔ける 【名探偵コナン】

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『藤原は大学とか何処か考えてる？』


『なーんにも、県内じゃないとダメって言われた』


『どうして』


『さあ、妹も小さいし、面倒見てもらいたいんじゃない』


『……ふーん、既成事実作れば？』


『いやなんのよ』


『いい大学受かってさ、受かったから行きたいって』


『や、無理だよ、私にそんな脳はない、仮に出来たとしても母さん許しちゃくれんよ』


『いやー、藤原ならいけるって』


『またまたァ、それならたっくんの方が将来有望でしょうよ。


あーあ、将来のことなんざ考えたくない、私まだ子供でいたい。


なんにも知らずに、のうのうと、怠惰に生きてたい』


『どうして、大人になりたいとは思わんと』


『ん、なんか母親見てると、大人って大変だなあって。


今よりもっと知らない人と関わらないといけないし、仕事は簡単に休めないでしょ。


父さんともっと遊びたかったし、ずっとゲームしてたい、それから』


『大人になることが嫌？』


『嫌って訳じゃないけど、父さんと、成人したらお酒飲むって約束したし』


『その他には？』


『……何もない』


『ふーん』


『……中学生活がさ、思ったより充実しててびっくりした。


母さんは高校生になったらもっと楽しいって言っとったけど、正直あまり期待してなくて』


『あー、知らんやついっぱい来るから藤原はキツいやろうね』


『それなんだよ、唯一の希望である君も転校しちゃうなんてね』


『あはは』


『同じクラス入ろうって話しとったのに』


『そういえばそうやったね』


『もう、酷いや』


『……昼休み終わったけ、そろそろ皆帰ってくるね。


高校でも上手くやれよ、藤原』


『もう、頭撫でんといて、ちびみたいに思われとるやん』


『違わんやろ』


『んのやろ……』


『はは、さ、教室戻ろ、次は数学やね』


『げ』


『うっわ、露骨に嫌そうな顔』


『悪いか、私は数学苦手』


『文系だもんね』


『化学は大好きなのに』


『本当だよ』



















後悔はない

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