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石川side
当時。
生徒たちなりの社会があって、まだまだ子供な感情を持つ。
転校した小学校は、ごくごく普通なそれだった。
本当に、何処にもありそうな場所だった、ただ1つそこに藤原花流という少女がいたこと以外は。
彼女は僕と同じく知識を愛していた、今までそんな経験がしたことない僕だって驚く程の気の合う友人だったし、実際楽しかった。
議論しあい、たまに相談しあって、気付いたら中学生も終わっていた。
その後だった、彼女に好意を抱いたことを知ったのは。
何かが足りないと思った時にはもう遅かった。
僕の誕生日の日に、同じ中学時代の友人からの訃報。
テレビに写った、彼女らしくない行動と表情。
「お前は、恋をしたことはあるか」
「……真逆、君がそんな一抹の感情に囚われて動いているなんてことないだろうね」
「無いんだな」
「……」
ソファで寛ぎながらテレビを見ていた、彼女と同じくゲームが好きだったからそろそろ起動しようかと動いた時。
ニュースの見出し。
リモコンを持って部屋に1人で佇む僕はなんて滑稽だったことだろう、幸い親は買い出しでいなかった。
いつもの友人のハッタリだと思った。
それを見た瞬間、嘘だと思えなかった。
涙も出なかった。
なにか洗脳されたように体は動いて、目の前には墓石があった。
まざまざと、現実を見せつけられた気がした、これがお前の世界だと。
死は絶対で。
コミュニケーションの1つだと、言葉と同義に考えていた感情は全くの別物だと痛感した日。
「僕達は死んでいる、けれど神様は失敗したんだよ」
「……」
「彼等は感情を封じ込めるべきだった、そうすれば僕達は2回目を比較的理性的に動くことが出来た。
彼等はそれをしなかった、結果僕らは愛ある獣になったんだ」
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 517さん» 517様、閲覧及びコメントありがとうございます!長かったでしょう(苦笑)そう言って頂けるととてもありがたいです。更新は停滞気味ですが気長に待って頂けると嬉しいです! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
517(プロフ) - とっても面白くて最新話まで一気に読み進めちゃいました! (2021年3月31日 1時) (レス) id: a380db26d5 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - はい。楽しみにしてます。 (2020年10月17日 8時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - ひかりさん» 閲覧及びコメントありがとうございます!SCPご存知の方中々いらっしゃらないですよね……。SCPで何か書けたらいいなぁと思っています(笑)改めて、ありがとうございました! (2020年10月16日 23時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - こんなところでSCPを嗜んでいる人に出逢えるとは思ってもいなかった (2020年10月16日 22時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2020年3月31日 9時