光に熔ける 【名探偵コナン】

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「それが世界だろう」


朝起きて、


ご飯を食べて、


学校なり仕事に行き、


ご飯を食べて、


好きなことをして、


たまに昼寝して、


大好きな友人と話して、


帰り際に空を見て、


またご飯を食べて、


寝て。


たまに異性と目合って。


それを死ぬまで繰り返して。


「その中に組み込まれるくらい自然に、人を殺して同じく死んでしまったという言葉が最後に入るだけだろう」


何も不思議なことじゃあない。


「随分と達観しているんだな」


「よく言われるよ」


「じゃあなんで君はここで死のうとしないんだ？」


彼の脳内にしかない起動パスワード、この世界を守るためなら自害して葬り去ったほうがいいだろうに、と。


四人しかいない広い空間でこの言葉はよく響いた。


「逆に、何故だと思う」


「俺は死人の脳の記憶までかすめ取れるように設計したからだと思うな。


勿論、脳が腐りきってしまう前にじゃないと出来ないだろうけれど」


いたって正解だと言った、けれどそれがバレても何も問題は無さそうだ、彼はそんなに顔をしている。


「なら、それならさらに質問だ。


Resist、お前ならこんな事件が起きてしまう前に自害することも出来ただろう」


何故そうまでして生きたいと願ったんだ。


「……」


「僕にはわかる、君は何かしらに取りつかれている。


数多くの人間が永遠を求めているように、君には生への執着に似た何かが取りついているんだ」


お前は俺と同じ様に世界をありとあらゆる神を憎んだ人間だ、そうだろう。



でも君は達観していた、死への恐れが無ければ生への執着も無い。


僕にはそれが気味が悪くてしょうがないんだ。


DOPPELはそう言った、既に傷だけ見れば満身創痍の彼を俺はただ見る他なかった。

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