光に熔ける 【名探偵コナン】

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貴方side


戦況は最悪だった。


そもそも坂口さんはもう満身創痍で、立っているのもやっとな筈なのに接近戦を行った。


私もそうだった、鳥山さんから預かった真剣(何処で手に入れたのだろう)で彼に応戦した。


右、斜め左、正面、右、正面、背後、右、正面、左、斜め右、正面、と見せかけての背後。


背後からの打撃には勢いをつけた回転切りで応戦して。


また正面、右、背後、右、斜め右正面、左。


たっくんを守りながら攻撃をかわす、いなす、受け止めるを繰り返す。


縦横無尽に繰り出される、右、右、正面、背後からの左、右。


体感時間は30分、実際経ったのは3分弱。


それを地獄のように沢山繰り返して本当に一時間とちょっと経ったぐらいに、


「……目が……！」


風圧で飛ばされてしまったときに目をやられてしまったのだ。


「疲れるだろう、攻撃を見切れるのは流石だね」


そういって容赦なく腹部に拳を叩き込んでくるあたりほんとにもう最悪だ、微量の胃液を吐く、足ががくがく震えて仕方ない。


彼は私を吹っ飛ばした、その背後から坂口さんが彼を吹っ飛ばすかのように見えた。


「……！


壁……！！？」


「やろうと思えば発動できる補正なんだ、悪意のある攻撃を無効化できるっ！」


そのまま背後の坂口さんを蹴り飛ばす！


彼はそのまま昏倒して、目を見開いたジンさんの傍で血を流して動かない。


「悪意のある……」


「そう、悪意のある攻撃。


君は何も感じなかったのか、まあ守りに徹していれば気づかなくても……いやしかしふむ」


「悪意……」


私は別のところに疑問を覚えていた、もし、もしだ。


悪意のない攻撃だったら？


だって私の刀の切り傷は通じたじゃないか。


彼はそのことに気が付いたようで、にっと口角を上げた。


「少し研究をしよう」


「……！」

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