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「……たっくん、なに、しとると」
「……僕に魂を戻すんだよ、しょうがないが、核爆弾は彼を倒した後しかもう無理だ。
記憶にあるパスコードを抜き取られたであろう以上、俺たちの勝率は格段に下がる、発動には二時間がかかるから、ちょうど12時までに解除キーを撃ち込まないとな」
いまDOPPELはパスコードを打ち込んでいる、少し時間はかかるだろうが、僕の魂を戻すくらいなら事足りる。
勝率は上がる、難易度も上がる、リスクも高い、だが僕には彼女を守ってもらわないと困る。
「……たっくんは、たっくんじゃないと?」
「さっきも言ったろ、僕はあくまで記憶のない石川タクだ、君との思い出も感情もこの毛皮に取られたんだよ。
あーあ、楽しかったんだけどな」
そういう事象として思い出の一部は知っていたが、僕が実際に体験したわけじゃない、それは今死にかけている僕が持っている。
そう思ったら僕がDOPPEL相手にどれだけ名演説を繰り広げたかは称賛に値する。
恋の一片なんてしたこともなく、使命だけを背負って生きていくつもりだったのに。
「ほら、飲め、どうせ僕に戻るんだろ」
そう言って緑の毒々しいカプセルを僕の口許へと押し付けた。
「……ぐう」
「お前が嫌いだよ、大嫌いだ」
ああでも。
「……」
「だから飲め、僕はもう二度と君と会いたくない」
この子との思い出なのか。
そうして彼はそれを飲み込んだ、僕の体からすっと、そうだな、21グラムくらいが抜ける感じ。
ソーダを開封したときのつんとした匂い、抜ける炭酸。
真冬だってのに凄く奇麗な憧憬、これが思い出だろうか。
どれだけ楽しい思いでなんだろうな。
ああ、嫌になる、どうせ叶いっこないのに。
ああくそ、これが
もう帰れないじゃないか
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 517さん» 517様、閲覧及びコメントありがとうございます!長かったでしょう(苦笑)そう言って頂けるととてもありがたいです。更新は停滞気味ですが気長に待って頂けると嬉しいです! (2021年3月31日 22時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
517(プロフ) - とっても面白くて最新話まで一気に読み進めちゃいました! (2021年3月31日 1時) (レス) id: a380db26d5 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - はい。楽しみにしてます。 (2020年10月17日 8時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - ひかりさん» 閲覧及びコメントありがとうございます!SCPご存知の方中々いらっしゃらないですよね……。SCPで何か書けたらいいなぁと思っています(笑)改めて、ありがとうございました! (2020年10月16日 23時) (レス) id: 6e12f91009 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - こんなところでSCPを嗜んでいる人に出逢えるとは思ってもいなかった (2020年10月16日 22時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2020年3月31日 9時