夢に彷徨う 【名探偵コナン】

313 他所 ページ25

side工藤


「諸伏警部、巴さんは……」


「…………無事、とは言い難いでしょう……」


朝になった。


巴さんが救急車で運ばれた後、俺は一旦宿に戻って休養を取ったが、その間目を覚ましたという連絡は無かった。


蘭達も心配で病院に寄った、勿論彼女のことを1番知っている諸伏警部に彼女の容態を聞いてみるが、やはりいい返事は貰えない。


「諸伏さん……？」


「嗚呼、先生、如何も」


「……？


警部、この人は？」


聞けばこの人は巴さんを担当する医者らしく、存在を隠している彼女の為、態々警察病院から出向いて来てくれたらしい。


警察庁長官直々の命令により、である、全く巴さんは、一体どれだけのパイプを持っているのか。


「えーっと、……巴さんの容態なんですが……」


「良くない、のでしょうか……？」


「いえ、心臓以外には特に異常はありません、目立った外傷も無い。


貴方方の処置が素晴らしかったお陰ですよ、ただ……」


ただ？俺は聞き返した、何か問題でもあったのだろうか、それとも新たな病が発見されてしまったとか？


「彼女の最近の生活や、環境について知っていますか？」


「……いいえ、疎遠だったもので」


生活習慣病？真逆、彼女がなるとは思えないが。


「脳のMRIの結果が、少し……」


「……？」


「脳、ですか？」

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