304 本音 ページ16
『巴さん何やってるの!!?』
暫くの静寂の後、こんな夜更けに怒鳴り声がよく響いた。
私は悪い悪いと謝る、その後の言葉が如何しても見つからなかった。
彼の声に、妙に安心感を覚えた、何故かは分からない、何故か安心したのだ。
気付けば私は、本音をポロポロと流していた。
「少年、いやコナン君。
人を殺したら、それは罰せられるべきかな……?」
『当たり前だろ!?
巴さんこんな遅くに1人で何やってんだ!!』
「1人じゃないんだ、もう1人同胞が居る。
もうすぐ死ぬんだ」
『は……?』
訳が分からないと言った返事だった、それもそうか、もうすぐ死ぬなんて言われても彼には分からないのに。
私達だけが知っている、もうすぐ、私しか知らなくなること。
「目の前にね、私と全く同じ存在が居るんだ。
私は其奴を助けてやりたい、でも同時に羨ましいって思って仕方ないんだ……!!」
『ねえ待って、巴さん!?』
如何したの、とは聞こえなかった、私は目の前で今にも飛び込もうとしている人の前でこれ以上話すのは野暮だと思い、そのまま携帯の電源を切った。
「それが本音かい……?」
「貴方は、貴方は何で死んでしまうの……!!?」
「置いてきた人達が居る、それだけで十分だろ?」
「やだ、これ以上私を置いていかないで!!」
「……苦労したね。
大丈夫、君も、どんな形であれ帰れる日が来るよ」
「やだぁ!!
もう置いていかないで!!
ひじりっっ!!!」
彼は腰に着けてある爛々と光る5人の同胞と共に池へと飛び込んだ。
これが、私達の最後の言葉だった。
その後のことは、全く覚えて居ない。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» さち様いつもありがとうございます!出会っちゃいましたね、2人……。そう言って頂けるとこちらも励みになります、改めてありがとうございました!! (2019年10月5日 21時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
さち - 何度も読みに来ちゃいます。おもしろいです。ヒロとゼロの邂逅。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年10月4日 19時) (レス) id: 5f335610e5 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» さち様いつもありがとうございます!出ましたね高明さん(笑)これからも頑張って参りますのでよろしくお願いします!! (2019年9月10日 17時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろいです。高明さん出てきましたね。続きが楽しみでしかたないです。よろしくお願いします。 (2019年9月10日 12時) (レス) id: a4eca54f61 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 水城様!いつもありがとうございます!はい、更新頑張らせて頂きますので、是非とも今後も楽しみにして頂ければと思います!改めて閲覧及びコメントありがとうございました! (2019年9月8日 19時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年9月6日 18時