283 昔事 ページ44
「お姉さん名前は?」
と、2人仲良くケーキを食べ終わって後、工藤氏はこんなことを聞き出す。
アップルティーをもう一度頼んでから、
「藤原巴、君は?」
「僕江戸川コナン、この上の眠りの小五郎のおじちゃんの家に居候してるんだ!」
「へぇ、未だ幼いのに……」
凄いね、と言うと彼は何が、と聞き返す。
「彼、殺人現場によく居合わせるらしいから、君も大変だろう?」
「ううん、少し不謹慎だけど、知らないことも一杯教えてくれるからとっても楽しいよ!」
「知的好奇心が強いんだね、私も昔は……」
楽しそうに、自慢気に話す初恋の人間に三国志の話なり新撰組の話なり楽しんで聞いてたっけか。
彼奴は嘘を吐かなかった、彼奴は毒舌だが、その分とても嫌な程に正直で、少なくとも他の人間なんぞよりずっと信頼は置けた。
帰りたいな…………。
「昔は?」
「友人に色んな話をして貰ったなぁって」
「どんな話?」
「歴史とか、三国志とか、たまに心理学とかもあったね」
「へぇ、博識なんだね、その人」
「巴ちゃん、はいアップルティー」
「ありがとうございます……うん、私なんかより余っ程正直で信頼の置ける人間だったよ」
「……好きだったの?」
「如何だろう、もうよく分かんないや」
16年も昔のことなんか忘れたと言えればどれだけ楽か。
カランカランとドアベルが鳴る、私の斜め前で、読みかけの本が放ったらかしにされたのを怒った様に、栞を挟んだ頁をパラパラと捲られていった。
その様子を私は洒落た白と緑のカップを持ったまま見詰める。
「巴さんって、本読むんだね」
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» わざわざありがとうございます!そうですね、この後また団子を食べている描写があるので十二分よりかは十分とかの方が良いかもです、本当にありがとうございます! (2019年8月30日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 度々すみません!「267 団子」の一行目の《十分》が《十二分》になってます。間違い……なのかな?と思ってコメントさせてもらいました。更新お疲れ様です! (2019年8月29日 9時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 閲覧及びコメントありがとうございます!ありがとうございます、本当に内容はそんなに進んでないんですけどね(笑)とても励みになります、頑張りますので是非ともよろしくお願いします!! (2019年8月28日 15時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 更新お疲れ様です。もうなんか、更新速度が速すぎて……。本当に尊敬します。内容も面白いですし。これからも頑張ってくださいね。*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・* (2019年8月28日 12時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» 閲覧及びコメント毎度ありがとうございます!!本当に励みになります、度々ありがとうございます!!頑張ろうと思いますので、是非とも宜しくお願いします!! (2019年8月23日 21時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年8月15日 23時