273 決断 ページ33
side貴方
世界の謎を解くこと。
私が出した答え、即ち、私を殺すことだった。
このメモで読み取ることが出来たのが、理一と名乗る人間には気を付けろということと、もう1人の自分がこの世界にいること。
メモの中のことが全部本当なら、あの死んだ人間が全て事実を書いた描写ならば、あの『自分が居た』という発言は恐らく。
自分自身がこの世界に実在するということ、そして世界の謎を解くには、そのもう1人の自分ないしその家族か、今の私が死ななければならないということ。
『こーちゃん』の世界の謎は、恐らく母が死んだことで解決した、まあ私は死ぬ所を見ていないので確定的とは言えないのがとても心苦しいところだが。
私は頭を抱えた、真逆人を殺さない様に気を付けてた自分の1番最初に殺す相手が自分か自分の家族だなんて、今にも全く信じられない。
そりゃあパラレルワールドですから、何でもありな世界ですから、そう言い聞かせても私は割り切ることが出来なかった。
そしてただ殺すだけではいけないのだから、条件が分からない私のやる気は当然、滑り台の如く降りて行く。
道端に健気にも咲いていた桃色花が視界に入る、私は苛立った気持ちを隠さずにその茎を引きちぎる。
私を殺すか、私じゃないもう1人の私を殺すか。
「私、私じゃない、私、私じゃない」
茎を捨てるか、捨てまいか。
1枚1枚無惨にも命を削られる花に妙な既視感を感じた、まるで自分みたいだ、それでもちぎる手を止めない。
私を殺すか、“私”を殺すか。
──────時刻はもう8時を過ぎていた、これは、家に萩さんが来てたら怒られるなと苦笑しながら茎を捨てた。
私もこの世界に要らないけれど、この世界に最も要らないのは、やっぱり別世界の人間である“私”だった。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» わざわざありがとうございます!そうですね、この後また団子を食べている描写があるので十二分よりかは十分とかの方が良いかもです、本当にありがとうございます! (2019年8月30日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 度々すみません!「267 団子」の一行目の《十分》が《十二分》になってます。間違い……なのかな?と思ってコメントさせてもらいました。更新お疲れ様です! (2019年8月29日 9時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 閲覧及びコメントありがとうございます!ありがとうございます、本当に内容はそんなに進んでないんですけどね(笑)とても励みになります、頑張りますので是非ともよろしくお願いします!! (2019年8月28日 15時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 更新お疲れ様です。もうなんか、更新速度が速すぎて……。本当に尊敬します。内容も面白いですし。これからも頑張ってくださいね。*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・* (2019年8月28日 12時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» 閲覧及びコメント毎度ありがとうございます!!本当に励みになります、度々ありがとうございます!!頑張ろうと思いますので、是非とも宜しくお願いします!! (2019年8月23日 21時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年8月15日 23時