華を契る 【名探偵コナン】

279 今後 ページ39

side貴方


電話の内容、結論から言えば、私の推理の1つは見事に的中しているだろう。


自分の、一昔住んでた家は、まず自分がその場所に居ないと、発生しないこと。


これに関してはあの携帯に遺されていたので確定だろう、いや、住んでいた“家”と言うのが少し説得力に欠けるが。


「巴ちゃん、気分悪いのか？」


「大丈夫だよ萩さん、ちょっと考え事してるだけだから」


「考え事？」


何それとへにゃりと笑う彼に罪悪感を抱きながらも、今日の夕食であるチキン南蛮を口の中に入れた。


「今後のこと」


その1、諸伏さんの処遇。


転生者は短命らしいので早めに手を打つのが得策、もしかしたら原作の何処かのタイミングで諸伏氏が生きていることを知らせないと組織にバレる可能性がある。


次に世界の謎。


これは諸伏氏の生存を明かした後だ、じゃないと諸伏氏の安全が気になる。


明かした後、藤原巴は失踪して故郷に移住、世界の謎は恐らく前世に関する内容だろうから、ぼちぼちやっていこう。


嗚呼、長官にも謝らなきゃ。


ベルさん心配してくれるかな。


でも諸伏氏が生きてるって知ったら降谷氏嬉しいだろうな、でも私居なくなったら萩さん荒れるかな……。


荒れる、この単語で体が止まる。


私も随分と彼らに絆されたもんだな、私は元の世界に帰りたいのに、帰りずらくなるものを作ってしまうなんて。


「……巴？」


「なあに」


「巴ちゃん、大丈夫……？」


「……気分悪く見える？」


「……うん、心此処に在らずみたいな顔してるし……」


「…………そうかな、」


そうだろうか、まあ筋トレはしているのだが、少し体力が落ちたのは本当だ。


「巴ちゃん、無理しないでね」


一気に心が軽くなる、私もつくづく単純になったと思う。


「ありがとう」

280 集会→←278 不信

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す