音を乗せる 【名探偵コナン】

173 発見 ページ30

落ちる、と一言告げると、私は捕まっていた脚から手を離した。


落ちている途中にピンと来た。


「……此処だ」


見覚えのある廃ビル、私の予想は見事なまでに的中したらしい。


と、此処で上空を旋回していた彼等も廃ビルの屋上に降り立つ、私は鳥山さんに現場がここであると告げ、辺りを散策した。


「此処？」


「はい、此処ですね」


私は諸伏氏が死ぬであろう場所に座り、身体で再現をしてみた。


「……何やってるの？」


「再現」


此処で赤井さんの銃を取って、胸ポケットに入れて置いた携帯と共に心臓を撃ち抜く。


私は持っていた携帯を胸ポケットに入れ、空の銃を取り出して同じポーズで、そのまま倒れてみた。


「……それモデルガン？」


「父の遺品」


「本物なのね…………」


「萩さん、お願いがあります」


なーに、と返されたので、ちょっと此処に立ってみてくれませんか、と言ってみる。


「如何して？」


「彼が持つ銃を、上手いこと狙撃出来ないか…………」


と、此処で気が付く、彼の自害を止めたとして、その後は如何するのか。


彼はこのまま上手く隠れて生きられるのか。


何より、彼が表舞台にいることで原作が変わってしまうのではないか。


となると、矢張り彼は死んだという設定にした方がいいだろう、それならば、私がやることは1つ。


「………………萩さん」

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