177 婆々 ページ34
「さ、飲んで、お茶しか出せないけど」
「あ、ありがとうございます……」
普通の、少々年季の入った一軒家の中身は、外見と同様、可成前から住まれているんだな、ということがよく分かった。
彼女は如何やら体が余り良くないらしく、寿命も何ヶ月あるかないか、と宣告されたらしい。
「それはそれは、寂しいでしょう、お爺さんも亡くなられたのは…………」
「仕方ないわ、これも時間が連れ去ったものだもの」
何れ死ぬ病だったと告げられた、それなのに彼女は産後に夫に先立たれ、女手一つで“こーちゃん”を育てて来たと言うのだ。
と、此処であることに気付いた、彼女の向こう、カレンダーが1998年の11月と載ってあるページから止まっているのだ。
「……失礼ですが、こーちゃんの誕生日は何時ですか?
私、何か送りたいんですけど、何を送ったら喜んでくれるか、誕生日も聞きそびれちゃって……」
「あらあらまあまあ、こんな可愛い子に祝って貰えるなんてこーちゃんは幸せ者ね」
いえそんな、と返す、彼女は、
「こーちゃんは1980年の3月4日に産まれたのよ」
「……へぇ、ありがとうございます」
「お嬢ちゃん、そういえばお名前は?」
「え、嗚呼、藤原巴と申します、自己紹介遅れてすみません」
「そう、巴ちゃんはお煎餅食べれるかしら」
ババ臭くてごめんね、と謝られるが、私は別に大したことないし、凝った洋菓子(マカロン除く)より煎餅の方が好きなので、それを伝えると、彼女は嬉しそうに台所へ向かった。
その時に聞いてしまったのだ、ラジオに流れた天気予報の1文を、
『えー、11月27日のニュースです、大変寒くなって来ましたね』
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水城紗綾 - 久坂朧@三色団子と朧は神さん» うぁぁ。ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月10日 18時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» いえ、何か見た覚えのあるニックネームの方の名前だなー、と思って、探したら直前まで読んでた作品の筆者様だったのでつい……(笑)こちらこそ読んで頂いて嬉しいです、ありがとうございます!楽しみに更新待ってますのでそちらも頑張って下さいね! (2019年8月10日 0時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - え!知ってるんですか!?え(困惑)………ッッ!!ありがとうございます!ログインもしていない私の作品を!知ってくださっているとは! (2019年8月9日 22時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 閲覧及びコメントありがとうございます!そう言って貰えるととても嬉しいです!もしかしてkzの方で夢小説書かれてますか?そちらの方も楽しみに待ってます、更新待ってます!!改めて、ありがとうございました! (2019年8月8日 19時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 右のお星様を押したいのに2回目だから押せないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーー!!! (2019年8月8日 19時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年8月3日 17時