166 重度 ページ23
「…………それは」
出来ない相談だ、私だって仕事があるし、何より警察学校組、宮野明美その他諸々の救済だったり、最終目標である“世界の謎”だって攻略しないといけない。
私は目の前で死んだ彼の言葉を思い出した、あれが発した言葉が本当ならば、私の寿命も通常より減りが早いということ。
詰まり寿命も神様に規定された範囲より短いという意味になる。
私は如何もこの世界でも短命らしい、そんな時に家から1歩も出ないなどそんなことは断じて出来ない。
1秒だって時間が惜しい状態なのだから。
「だって巴ちゃんすぐ何処か行っちゃうだろ……」
「…………そういう仕事なんですよ」
だから言ったじゃないですか、私といると危険な目に遭う、貴方が目を付けられていないうちに早く退散した方が身の為だ、と続けた。
「巴ちゃんの正義は、それでしか貫けないの?」
息が止まる、その話はベルさんにしか言ったことが無かったのに、と動揺する私に彼はじっと目を合わせてくる。
「…………ッ!!
、……………………はい、これでしか貫けません」
妙に悔しい思いに晒される、抱き締めた彼の腕が強くなった。
「萩さん、私短命らしいんですよ」
「…………」
「早く離れないと、貴方も」
「やだ」
「萩さん、貴方いい加減にして下さいよ、大人でしょう」
「子供はいいよね、何も知らなくても済むし、何より暖かいから。
俺だって助けてくれたのに」
彼の言葉とも言えない言葉は、彼の精一杯の願望と皮肉を込めたものに聞こえた、私には。
私は聞こえるか聞こえないかの声でそっと、心から呟いた。
「…………私は大人になりたい。
今度こそ、大人になりたい」
見上げると曇天が、苦しいくらいに、私に圧を掛けた。
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水城紗綾 - 久坂朧@三色団子と朧は神さん» うぁぁ。ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月10日 18時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» いえ、何か見た覚えのあるニックネームの方の名前だなー、と思って、探したら直前まで読んでた作品の筆者様だったのでつい……(笑)こちらこそ読んで頂いて嬉しいです、ありがとうございます!楽しみに更新待ってますのでそちらも頑張って下さいね! (2019年8月10日 0時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - え!知ってるんですか!?え(困惑)………ッッ!!ありがとうございます!ログインもしていない私の作品を!知ってくださっているとは! (2019年8月9日 22時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 水城紗綾さん» 閲覧及びコメントありがとうございます!そう言って貰えるととても嬉しいです!もしかしてkzの方で夢小説書かれてますか?そちらの方も楽しみに待ってます、更新待ってます!!改めて、ありがとうございました! (2019年8月8日 19時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
水城紗綾 - 右のお星様を押したいのに2回目だから押せないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーー!!! (2019年8月8日 19時) (レス) id: fd3bd08589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年8月3日 17時