132 補導 ページ38
其処から、一種の攻防が始まった。
「家にご両親は居る?」
「いえ、両親は一年くらい前にもう……」
「……もう?」
「亡くなったので……」
これは本当。
そう言うと彼は数秒経ってから、
「そっかー、ごめんね。
じゃあ一緒に住んでる大人の人は居るの?」
「い、え、私は保護者代理人に一人暮らしさせて貰ってるので」
まぁ言ってしまうとこれも本当。
「……巴ちゃんはー、話し方と身長からして中2くらいかな?」
身長…………今成長期とはいえ流石に皆間違えるか。
「………………10歳です」
「嘘ん、小学校何処?」
「…………」
あ、待って、行ってないわ。
「……行ってません」
そう言うとあざといキラースマイルが私に詰め寄って来る、ねぇだから待って此処コンビニの中なんだけど??
「何で?」
「……アメリカ国籍で、高校卒業しました」
これは嘘。
いや、あながち嘘でもない、戸籍をそういうことにしたのだ、戸籍上のことを述べているのだから嘘にはなっていない、実力も多分申し分無い。
コンビニ内は静かになった、確かに普通の人からしたら衝撃的な話だろうが、私は沈黙と過ぎ行く時間に耐えられなくなり、ついに、
「あの、」
「……なあに?」
「家で、飼っている鳥が待ってるので、出来れば早くして欲しいんですけど」
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 氷狐さん» 閲覧及びコメントありがとうございます!そうですよ!本来主人公は軽くオタってる設定なので、是非SCPも知って頂けたらなと思い出させて頂きました!気づいて頂けて嬉しいです、本当にありがとうございました! (2019年8月4日 9時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» 閲覧及びコメントありがとうございます!更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年8月4日 9時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - 途切れてしまいすみません!「先の無い扉」ですか?とても感動しました! (2019年8月4日 3時) (レス) id: 43c698ce3f (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - すみません!100 希望 のときの『幸運を。死に行く者より、敬礼を』ってSCPのSCPー1983 (2019年8月4日 2時) (レス) id: 43c698ce3f (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月4日 1時) (レス) id: 8b5b932439 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時:2019年7月28日 22時