空を駆ける 【名探偵コナン】

109 中止 ページ15

と、新聞の一記事に警察の闇と書かれた、裏サイトだろうか、発刊された後、直ぐに回収、処分されたと書かれたゴシップ記事があったので、気になって読んでみると、


“警察 潜入捜査か”


“捜査していた人間の一人が爆破に巻き込まれ死亡”


と書かれている、真逆とは思いつつその新聞の写真を見てみると、端っこに小さな見覚えのある影があるではないか。


思わず周りを見渡した、俺だけが残業で、勿論誰も居なかったことに安堵しつつ、続きを読む。


彼女は泣いていた、潜入していたと思われる警察の死体の手を繋ぎながら。


嫌な考えが過ぎる、真逆、彼女は、


「……もしかして」


「萩原君」


いきなり呼ばれた名前に、咄嗟に携帯をスリープにして振り返ると、


「！？」


「……嫌な予感がしたんだよ」


「……長官、何で」


思わず口元が引き攣る。


長官は溜息を吐き、萩原君、と俺の名前を呼んだ。


「君はね、国家機密に触れようとしているんだよ」


と、冷淡な口調で告げられた。


……は？


「彼女はね、この国の宝なんだよ。


だから、守らなければならない」


「金の目の彼女が、ですか」


「嗚呼、彼女は未だこの国の為に尽くしてくれているからね。


さぁ、早くそのページを閉じなさい」


そう言うと、長官は来て道を戻って行ったんだろう、何時の間にか姿が見えなくなっていた。


「……っ、」


俺は躊躇う、過去のことなのに、画面の向こうで泣いている彼女が如何にも消せずにいた。

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