106 再会 ページ12
side萩原
無茶だ、危険過ぎると言いたかった口が如何しても開かなかった。
「行ける、」
彼女がそう言った瞬間、外の爆弾の爆風で割ったガラス片が飛び散る、彼女に突き刺さろうとしたそれから庇うように俺は咄嗟に抱え込んだ。
「！？」
驚いた様に俺を見詰めた、爆風でパーカーのフードが取れた彼女は
……見覚えが、ある。
そうだ、あの雨の日、トロピカルランドで俺は彼女に指輪を。
「……お嬢、ちゃん？」
「……」
彼女は苦虫を噛み潰した様な顔で俺を見ると、目を逸らした。
「お嬢ちゃん、何でこんな所に……？」
「……」
「真逆、俺達を助けに？」
彼女は依然として無言のまま、唇を噛んで必死に泣くのを堪えていたみたいだ、目に薄らと涙が溜まっていた。
彼女は俺の心臓に手を当てて、
「…………よかった」
「……！」
驚くと、その隙に彼女は俺の腕の中から抜け出した、走っている方向を見ると、砕け散ったガラス張りの壁で、……！？
「待って、お嬢ちゃん！」
何と、彼女は其処から飛び降りた。
「お嬢ちゃんッッ！！」
追い掛ける、窓の下を見下ろすと、飛び降りた彼女はもう姿が見えなかった。
俺は暫くの間ずっと動けずに居た、騒ぎにもなっていなかったので、恐らくさっきの鳥山さんとかいう鳩に拾われたんだろうが、どうも心配だった。
電話を掛け直すと松田に怒られるのは勿論のことだが、俺は金目の少女を見てないかと聞くと、怒り口調でそんな奴は降りてこなかったと言った。
俺は思わず彼女が飛び降りた窓の向こうを見る、青空と灰色のビル群が立ち並ぶ綺麗なコントラストを、ただ呆然と見続けていた。
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久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - 氷狐さん» 閲覧及びコメントありがとうございます！そうですよ！本来主人公は軽くオタってる設定なので、是非SCPも知って頂けたらなと思い出させて頂きました！気づいて頂けて嬉しいです、本当にありがとうございました！ (2019年8月4日 9時) (
レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
久坂朧@三色団子と朧は神(プロフ) - さちさん» 閲覧及びコメントありがとうございます！更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年8月4日 9時) (レス) id: 9224d831df (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - 途切れてしまいすみません！「先の無い扉」ですか？とても感動しました！ (2019年8月4日 3時) (レス) id: 43c698ce3f (このIDを非表示/違反報告)
氷狐 - すみません！100 希望 のときの『幸運を。死に行く者より、敬礼を』ってSCPのSCPー1983 (2019年8月4日 2時) (レス) id: 43c698ce3f (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが早く読みたいです。よろしくお願いします。 (2019年8月4日 1時) (レス) id: 8b5b932439 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久坂朧@三色団子と朧は神 | 作成日時：2019年7月28日 22時
