境を跨ぐ 【名探偵コナン】

30 恐怖 ページ32

恐らくこちらの方を重点的に考えた方が良いだろう、彼はお飾りであれど心理学を専攻していたのだから。


寧ろ、私が彼に洗脳か何かで従ってしまう危険性の方が圧倒的に高いといえる。


「私が彼に向かい、階を間違えてしまったとか何とか言えば警戒せずとも私の親元へ送ってあげるか、そのまま逃がしたりするでしょう。」


「まぁ、普通の常識人ならな」


「第二段階で、親役が娘がご迷惑を掛けた、と言いながら菓子折りか何かを渡しながら、世間話にでも持っていけたらいいのですがそこは追々。


その後子供役が彼に接触、親が仕事だから菓子でも一緒に食べないかとか、そんなことを言いながら親交を深めます。


彼が銀行に行っている間に子供役が彼の部屋を捜索。


彼が帰ってきたら親が仕事で居なくて寂しいからと言う理由でお菓子とゲームか何かでも持っていって相手をしてもらったり、みたいな所でしょうか。


彼、高校の話その他諸々聞く限りでは、子供には異様なまでの優しさで接するみたいですし、恐らく悪い感情自体はないかと、ただ……」


言い終えると、一気に緊張が解けたような雰囲気になる、彼等もそろそろ疲れて来たのだろうか。


「……良く出来てる、出来てるが……」


「この状況で最悪なパターンは、その、お嬢……」


そして彼等の思考も勿論それぞれで、うち二人はとても微妙な顔をしている、イケ髭は気付いていない様だ。


最悪の場合、被害を全て高確率で被るのは私だと。


「ハイリスク・ハイリターン・って言ったでしょう……。


正直、彼が小児性愛者(ペドフィリア)だった場合が一番怖いんですがね」


「…………！？」

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