境を跨ぐ 【名探偵コナン】

19 試算 ページ21

「……さて、何から話せばいのかな」


「大体話は把握してる、心算」


実際嘘は言ってない、だがもう一枚の手紙じゃない方の紙に載ってある男の詳しいことは知らないが、ある程度察しが付くほど補正持ちの私は馬鹿じゃない。


「それよりもあっちの方が気になるんだけど」


あっち、と云うのは紛れも無く、先程のノイズをどう説明するか、であった。


「……今巴の周りに俺の同僚が何人いると思う」


「さぁ、何のことだか」


「惚けなくてもいいよ、これを聞いてるのは僕の同僚だから」


私はじっと彼の瞳を見詰める、彼の言葉に嘘は無かったみたいなので、38、と一言答えた。


「理由は？」


「私を見ているのにこの時点で10人ちょっとは居ると思うの、視線からして。


残りは……周りを歩いているのでは、と」


大体あってる、と言われ、ほっとする私は、紅茶を飲むと彼から衝撃な言葉が出てくる。


「43だ」


「ぶっ」


「残りの5人は正確には巴の監視には居ないんだけどね。


邪魔されない様に気配は消しといてって言っておいたんだ」


「……残りのそれは、頭の？」


彼は無言で頷く、しかし彼は父親としてでの目線で、では無く温度の無い虚無に近い様な目でそのまま私を見ていた、恐らく今のは警察官としての表情だ。


見定めているのだろう。


「知っているのは何処までか聞かせてくれる？」


「見つけたのは午前三時だよ、手紙だけ読んで11時過ぎ位には起きたんだけどそれのファイルを見たのはついさっき、メールもね」


「それで」


「知ってる訳ないじゃん、彼が史軍の頭だってことしか」

20 紐解→←18 疑惑

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す