境を跨ぐ 【名探偵コナン】

15 追憶 ページ17

取敢ず頭冷やすついでに着替えようと思ったのでクローゼットを開いた。


紺の薄手の長袖パーカーと白いTシャツ、青の短パンと黒の靴下をその大きな猫のお腹に全力で投げ飛ばし私もその上に飛び乗った。


とても気持ちいいお腹の上に乗りながら頭を縫いぐるみに押し付け、悠々と何も考えずに着替える、幸せだ。


真逆こんなに素晴らしい来世を送れるとは思わなかったよ、“母さん”。


でも今世の私はどうやら怠けてばかりでは行けないらしい……大丈夫さ、取り敢えず小学校入学までの残り二ヶ月で高一内容全て終わらせてみせるよ、苦手な数学は。


だから今からその教師を連れ戻しにちょっくら奮闘してくる、大丈夫、私なら出来る。


あんたの子供は立派に生きようとしてるっての、なのにあんたは何でそんなに心配症なんかね、私が未だ子供だからか？


兎に角、煩いよ。


私は巴だ、花流じゃない。


頼む、今は父さん奪還に集中させてくれ、妹の代わりに死んでやった姉を誇りに思いながらな。


「巴着替えてるの？


偉いわね、もうすぐ小学生だもんね」


「何言ってんの母さん、私が着替えてるのは珍しいことじゃないでしょ。」


「あら、そうかしら？」


「母さん海馬大丈夫」


「大丈夫よ！


失礼ね」


通り過ぎて行った母を一瞥し、着替え終わった瞬間、私は携帯電話の着信及びメール受信履歴を確認する、と1件、見覚えのあるメアドからめぼしい文章───と言うよりかは座標と単語───が見つかった。







12:00 alone

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