きっとまた逢える 4 (ページ37)

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150 キスするみたいにページ37

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和也「ほら翔ちゃん、忘れないうちに指輪返しときなよ」

翔「あ、そうだった」

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翔さんは傍らの鞄の中からハンカチを出して開き、そこからシルバーのリングを取り出す。

翔「遅くなって悪かったね」

カ「いえ、見つかっただけで充分です。櫻井さんに預かって頂いて助かりました。ありがとうございました」

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カナちゃんはその細い指先で翔さんの掌から小さなリングを摘み上げると、それを右手の薬指に嵌めたけど。

カ「やっぱり、ちょっと弛いな…」

と言って指から指輪を抜き、バッグの中にしまい込んだ。

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和也「翔ちゃんがさぁ、アンタのこと知りたいんだってさ。色々聞かせてよ」

なぜか仏頂面の二宮さんがそう言うと、カナちゃんは頬っぺたをほんのりと赤く染めて、恥ずかしそうに、ハイ、と頷いた。

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翔さんに恋してます、みたいな。

恥じらう可愛らしい顔を見せられてモヤモヤした私が、隣に座る翔さんの顔をチラッと伺い見ると。

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カナちゃんをじっと見つめていた翔さんが私の視線に気付き、私の左手をテーブルの下でそっと包み込むように握りしめた。

そして何か言いた気な目を細めて微笑み、小さく頷く。

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何も、心配することなんてないんだよ

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翔さんのその目がそんな風に言ってるように感じて。

私は気持ちを落ち着かせようと、深く息を吸い込んで、目を閉じた。

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和也「にしてもさぁ」

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すると突然、右隣の二宮さんが私の顎をガシッと掴むと自分の方へと向ける。

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「な、なに…！！//」

翔「ちょ、オイ、」

私が驚いて目を見開くと、二宮さんの顔がすぐ目の前に迫っている。

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二宮さんはまるでキスでもするかのように顔を近付けてきて、舐めるように私の顔を見た。

薄っすらと開いた唇がやけに色っぽくて、すぐ隣に翔さんがいるのにドキドキしてしまう。

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和也「目力に欠けるっつーか、どっちかと言えば貧相な顔してんね」

「……は？」

和也「あんたの方がのっぺりしてるよね。いやね？やたらあんたと似てるって聞いてたからどこが似てんだろう思ってさ。

んー、どこだろ。あんたの方がずっと年上なのにさ、全然ガキ臭いよね。笑」

「ガキ臭くて悪かったわね！！」

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私が二宮さんの手を振り払うと、二宮さんは片手で口元を覆って楽しそうに笑った。