きっとまた逢える 4 (ページ3)

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116 運命の女性ページ3

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「あ、あのコなの！！ちょっと待ってて、連れて来るから」

ヒカリちゃんはそう言うと、化粧室から出てきた女の子に向かって早足で歩いていった。

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「あ、ホントだ。似てるかも」

マキがうんうん、と頷く。

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「そう…かな」

「うん。これだけ似てるとなんか気持ち悪いね。生き別れた姉妹とかだったりして。うわ、ベタ！！笑」

「まさか。ドラマじゃないんだから。笑」

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そうかな、なんて言いながら。

私自身、ヒカリちゃんに連れられてこっちに向かって歩いて来るそのコの顔を見て、思ったよりもずっと自分に似てて驚いた。

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変に緊張してくる。

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「この人がAさん。こっちはカナちゃん。ね、そっくりでしょ」

「姉妹みたい」

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私とそのカナちゃんという女の子は、お互いの顔をじっと見つめた後、クスッと笑った。

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「…なんか、…ヘンな気分ですね」

「ホントね。笑」

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顔は…確かに、似てると思う。

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でも、カナちゃんの方が私よりもずっと若いからか、お互いの雰囲気が違うのは自分でもわかった。

彼女のお肌はツヤツヤとしてて張りがあるし。

その時には自分では気付かない可愛らしさというか残酷さというか、そういう若さ特有の美しさが残ってる。

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ふと、思った。

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翔さんが彼女を見たら、一体どう思うんだろう、と。

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翔さんは、私を見てすぐにわかったって言った。

過去の自分が愛した女性に、私がそっくりだったからって。

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じゃあ、もし。

翔さんが私よりも先に、彼女と出会っていたとしたら？

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翔さんは私じゃなくて、カナちゃんをその運命の女性だと思ったんじゃないのかなって。

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カナちゃんに限らず、私みたいな顔立ちをした女性が複数いた場合。

一体どうやって、翔さんはその「探し求めていた女性」とやらを見分けるんだろう。

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そんなの、絶対に分かるわけない。

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自分に過去の記憶がないことが歯痒い。

翔さんの言ってることが本当かどうかなんてわからないけど、私は、今は自分がその彼女だったらいいなって思ってる。

翔さんと一緒に過ごしていくうちに、私にもその記憶が蘇ったらどんなにいいかって。

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急に不安に襲われて顔を強張らせる私を、カナちゃんは不思議そうに見る。

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私、もう翔さんのことを好きになり過ぎてる…