きっとまた逢える 2 (ページ8)

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46 それが、恋ページ8

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ずっと前から見たいと思っていた、恋愛映画だった。

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なのに、ストーリーなんて全く頭の中に入って来なかった。

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ユウさんの、匂いがする。

この腕の中が、私の一番の安心できる場所だった。

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でも、今はどんなに違うことを考えようとしても、櫻井さんのことで頭の中がいっぱいな自分に気付く。

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『教えてあげよう。

…それが、恋ってヤツなんだよ』

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ちょうど、テレビの字幕がそう映し出して、私の心はドキン、と跳ねる。

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続けざまに、キスシーン。

キス、キス、キス…

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うっとりするような美しい官能的なキスシーンが、これでもかと言わんばかりに続く。

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ちょっとだけ、意識してしまって。

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そしたら、ユウさんもそうだったみたいで、私の腰にまわしていた手にピクンと微かに力が入った。

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それで、何となく、お互いの視線が合って。

そのまま流されるように、私はユウさんからのキスを受けた。

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受けざるを、得なかった。

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危惧していた通り、そのうちまた、キスの温度が上がってくる。

手の中のグラスを奪われ、ユウさんはそれをテーブルに置くと、私をソファに押し付けた。

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イヤ、…イヤだ…

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でも、それを声に出して言うことなんてできない。

イヤだなんて今まで思ったことがないし、思うことがおかしい。

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どうしたらいいのか、わからなくて。

掴まれた腕が、痛くて。

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ギュッと手を握りしめて、その深いキスが通り過ぎるのを、静かに待っていたら。

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泣くつもりなんてないのに、涙が勝手に溢れ出た。

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ユ「…ごめん。俺、こんな無理やり…」

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ユ「二人きりでいない方がいいな。…ちょっと、外に出ようか」

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ユウさんはソファーに片膝をつき、私の前髪を上げて涙を拭うと、そう言った。