きっとまた逢える 2 (ページ35)

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73 嫉妬ページ35

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「私、…ユウさんとは、何も」

「…え、…」

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私は、これ以上、私達が近づかないように。

近づけないように、櫻井さんの胸に手を添えて押し留めた。

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だって、櫻井さんの瞳を見たら、わかる。

きっと櫻井さんも、私の目を見て、わかってるはず。

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私達が今、お互いを求め合ってる、って。

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でも、もう今日はこれ以上、お互いの気持ちに火を着けちゃダメ。

ドア一枚隔てたすぐ向こうの部屋に、二宮さんが寝ているというのに。

きっと、止められなくなる。

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「…キスは、した、かな」

「……」

「でもね、私、…櫻井さんで頭の中がいっぱいで、ユウさんとそういうことするなんて、考えられなかったの」

「Aさん…」

「こんなこと…今までなかったのに」

「それ、ほんと？マジで？」

「うん…」

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私が頷くと、櫻井さんの顔に安堵の笑みが浮かび、私の肩を掴む指から少し力が抜けた。

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「俺、バカみてぇ…」

「…櫻井さん」

「もうさ、今日までずっと、そればっか考えてた。

あいつがAさんのこと抱いてんじゃねぇかって考えたらさ、もう気が狂いそうで、仕事も手につかなくなるしさ。

俺のことなんて、Aさんにとってはどうでもいいのかも、って。

…俺じゃ、あの人に勝ち目はないのかな、って」

「まさか…」

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意外だった。

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ユウさんは、もちろんとっても素敵な人ではあるけど。

櫻井さんみたいに何もかもを手に入れたような人が、ごく普通の社会人である彼に負い目を感じるなんて、私には考えられなかった。

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「…俺、こんなに嫉妬したの、生まれて初めてかも。笑」

「…私も、話してくる」

「え？」

「ユウさんに、ちゃんと話す。好きな人がいるって。

次に彼がこっちに帰ってくるのを待ってたら、また一ヶ月とか先になっちゃうから、私が大阪に会いに行ってくる」

「Aさん…」

「私、正直、生まれ変わりだとかそういうのはわかんないけど。

でもね、例えそれが櫻井さんの思い違いだったとしても、櫻井さんにそんな風に思ってもらえたことに感謝してる。

私、こんな気持ち初めてっていうくらい、櫻井さんのことばかり考えてる」

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櫻井さんは、大きく目を開ける。

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「はっきり言ってよ…」

「…私から？笑」

「あ、そっか。笑」

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私が拗ねてみせると、櫻井さんは笑った。