きっとまた逢える 2 (ページ24)

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62 思わぬ味方＊翔＊ページ24

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先に帰るという、Aさんとユウイチの背中を無意識に見ていた俺を、タカオが肘で突つく。

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翔「…何だよ」

タ「顔！！」

翔「え？」

タ「おいおい、自覚ないのかよ。笑」

笑われて眉を顰めた俺に、マキさんは自分の眉間を指差して言った。

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マ「翔くん、ここ。シワ寄ってる」

翔「…ああ」

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二人してそう言うのなら、認めたくはないけど、多分感情が少し顔に出ていたんだろう。

…その、ジェラシーとかいうヤツが。

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俺は、ごまかすように眉を少し上げてみたりなんかして、ビールを呷った。

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タ「…おもしれぇ。笑」

タカオを見ると、グラスを手にニヤニヤと笑いながら俺を見ている。

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マ「ちょっと！人の恋路を面白いとか言わないの」

って、タカオを咎めるマキさんまでもがニヤニヤしていて、俺は面白くない。

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翔「何だよ、言いたいことがあるならはっきりと言えよ」

タ「ははは！ゴメンゴメン。…ユウイチくんはね、いいヤツだよ。会う度にそれを実感するなぁ。俺にはない誠実さがあるよね」

ヒ「私も今日初めて会ったけど、素敵な人だなぁって思いました。Aさんとすっごくお似合いで！」

タ「ヒカリちゃん？…君のその発言はちょっとややこしくなるからさ」

ヒ「？」

タ「だけどさ、お前が本気ならいいんじゃない？」

マ「まぁ、ね」

ヒ「…え？」

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まさかタカオとマキさんに、Aさんへの気持ちがバレていたなんて。

これっぽっちも思ってはいなかった俺は、ひどく動揺した。

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テーブルに置いた手がグラスを倒し、中に残っていた琥珀色の液体が流れていく。

呆然自失な俺を尻目に、マキさんが呼んだ店員が手際よくダスターで後始末をしてくれた。

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翔「…すみません///」

マ「ヘンなとこがよく似てるよね。…それより、翔くん」

翔「はい」

マ「私ね、Aとは付き合い長いの」

翔「知ってます」

マ「親友なの」

翔「それも知ってます」

マ「Aが泣くようなことになるなら、私は反対」

翔「…はい」

マ「でもね、何が幸せかなんて周りがごちゃごちゃ言うことじゃない。

A自身が、ユウイチさんといるよりも幸せだと思うなら、私は全面的に応援するから」

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翔「…え、あの」

思わぬ援軍が味方について、胸を熱くした俺に。

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タ「俺は面白けりゃどっちでもいいかな！」

タカオはそう言って、楽しげに笑った。