きっとまた逢える 2 (ページ22)

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60 ギンガムチェックのシャツページ22

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二宮さんに何を飲むかと聞かれて、私は空腹だったことを思い出した。

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二「って言われても、俺、料理とかしねぇからさ、カップ麺しかねぇんだけど」

「あ、カップ麺好き」

二「マジ？」

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私は、二宮さんがお湯を沸かすための水をケトルに入れる音をを聞きながら、妙に居心地のいいこの空間を、キョロキョロと見回した。

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二「で、翔ちゃんとはどうなの？」

二宮さんはそう言って、缶ビールを一つ、コトン、と私の前に置く。

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「…ありがと」

私はそのプルタブを開けて、一口飲んだ。

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「どうって、…わかんない」

二「なんで？」

「だって。…櫻井さん、彼女いるじゃない」

二「そんなこと言ったらあんたにだって彼氏いるでしょうが」

「そうだけど…」

二「恋愛なんてさ、先着順じゃねぇんだから。好きなら好きでガッといかなきゃ」

「ガッと。笑」

二「そう。ガッと。笑」

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その言い方がおかしくて、何だかとっても可愛くて。

私が笑うと、二宮さんは優しく微笑む。

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「…不思議」

二「何がよ」

「私ね、年下の男の子って何か苦手でね。昔からあんまり仲良くなれないんだけど」

二「だけど、二宮さんは素敵だから仲良くなりたい、ってか？」

「ううん、」

二「全否定か」

「そうじゃなくてね、年下なのに何だかすごく居心地がいいっていうか。安心する。…ねぇ、ほんとはもっと年いってるんじゃないの？」

二「年齢詐称してるって？」

「うん」

二「アホか。ンなわけねぇだろ。…でもあんま嬉しくねぇなぁ」

「なんで？これは本当に褒めてるのに」

二「出会ったばっかのオンナに安心するとか言われて嬉しがるオトコなんているかよ」

「そうなの？」

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二「……A」

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二宮さんは、飲んでいた缶ビールをテーブルの上に置くと。

突然真顔になって、前髪を指で後ろにかき上げながら、ソファーに座る私の隣にドサッと腰を下ろした。

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二「こんな時間にオトコの部屋に上がり込んでさぁ。…そんな気ありませんでした、とか。まさか今さら言わねぇよな」

「え、…あの、」

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近付いてくる二宮さんとの距離感に狼狽えた私が、後ろに避けると。

肘掛けに行く手を阻まれて、私はソファーの上で二宮さんに押し倒された。

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「…ねぇ、冗談キツイ」

二「冗談じゃねぇよ」

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二宮さんは、ギンガムチェックのシャツを勢いよく脱ぎ捨てた。