59 タクシーの中で ページ21
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「どうしてあんなとこにいたの？！」
二「そりゃメシ食ってたからに決まってんでしょ」
「あんなに人がいっぱいいる所で？変装もせず？！」
二「俺あんまそーゆーのしないけど結構大丈夫なもんよ？…で？あんたナニあんな若いオトコにナンパされてんのよ」
「二宮さんもさっきの男の子とそう変わらない年に見えるけど」
二「マジ？それ褒めてる？」
「一応」
二「ならまぁいっか。…で？Aちゃん一人で飲んでたわけ？」
「うん。…友達の都合が悪くなったらしくてね。もう帰ろうかなって思ってたとこだったの」
二「あ、そ。俺も疲れたから先に帰るとこだったんだけどさ」
「そうなんだ。ありがと。助かった」
二「モテる女は大変だねぇ」
「………」
二「なによ？」
「…喧嘩売ってる？」
二「なんでよ！素直な気持ちを言ったまでだわ！！」
「マジ？それ、褒めてる？」
二「んふっ。褒めてます褒めてます。いやマジでおねーさん今日綺麗よ？」
「ならまぁいっか」
二「いちいち真似すんなや。笑」
・
不思議。二宮さんって、すっごく話しやすい。
私、実は年下の男の子ってあんまり得意じゃないはずなんだけど、何だか安心する。
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・
……ん？
・
「…ねぇ」
ニ「はい」
「今どこに向かってるの？」
二「家」
「誰の？」
二「あんたの家知らんわ！笑」
「あ、そっか、そうだよね。じゃあどっか近場の駅で降ろしてくれない？」
二「俺、なんか熱っぽくてさ」
「そうなの？大丈夫？」
二「いや、だりぃからあの店抜けてきたんだけど。でもせっかく会ったんだしさ、飲もうよ」
「熱あるなら帰って寝た方がいいよ」
二「だから帰ってんでしょ」
「…え？」
二「うちなら俺もゆっくりできるし人目とか気にしなくて済むじゃん。俺は別に慣れてるからいいんだけどさ、あんたが嫌でしょ、そういうの」
「あんた、って」
ニ「あんただって俺のこと二宮さんとか言ってんじゃん」
「だって二宮さんじゃない」
二「あんただってあんたじゃん」
「ああ言えばこう言う…」
二「ふははっ。まぁまぁ。何か悩んでる顔してんじゃんか。
話聞いてやるって言ってんだからさ。あんたはありがとっつっとけばいいのよ」
「うーん…」
二「あ、ナニ？それともアレ？
体調イマイチな俺があんたのこと襲うとか思ってんの？」
「お・も・っ・て・ま・せ・ん！！」
二「だよね？ならいーじゃん、問題ナシ」
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作者名：はなび
| 作成日時：2014年6月24日 21時
