きっとまた逢える 2 (ページ18)

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櫻井さんの寝室で見かけたあの華やかなアクセサリーで、彼に彼女がいることは、予想してたはず。

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なのに、いざ櫻井さん自身の口からそう告げられると。

想像もつかなかったようなショックに襲われて、自分でもおかしいと思うくらい挙動不審になってしまった。

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二度目にグラスを倒した時には、顔から火が出そうだった。

それを、みんなは酔いのせいだと思ってくれて、助かったんだけど…

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私が意を決して、にこやかにみんなと談笑する櫻井さんに視線を送ると、その都度必ず目が合う。

櫻井さんは会話を続けながら、意味あり気にほんの一瞬だけ私を見つめて、グラスに口を付けたまま、唇の端だけで笑った。

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そんな、魅惑的な表情を見せられると。

ショックを受けたはずの私の胸がドキドキと高鳴って、どうしようもなくなってしまう。

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私とこれから始めたいと言った、櫻井さんの言葉を信じろと言うのなら。

彼は、その彼女との関係を、一体どうするつもりなんだろう。

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私は、どうしたらいいの？

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多分、私はもう櫻井さんに心を奪われてる。

まだ会ったばかりなのにって自分でも思う。

でも、人を好きになるのに時間は関係ないんだと、初めて知った。

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今まで、この年になるまで。

誰かに心を鷲掴みされて、衝動的にでも自分から誰かを欲したことはなかった。

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こんな気持ち。

痛いくらいの好きっていう気持ちなんて初めてで、怖くなる。

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さっきのユウさんの言葉はもちろん嬉しいし、私はヒカリちゃんの言う通り、幸せ者なんだと思う。

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私だって、ユウさんとは、近い将来きっと結婚するんだろうと信じて疑わなかったんだもの。

この人の子供を産み、育てて、平凡だけど穏やかに愛される未来。

いざとなると返事を先延ばしにしてしまってはいたけど、でも、それが私の未来なんだと思ってた。

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でも、この気持ちを知ってしまった。

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私は、どうしたらいい？

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わからない。

どうしたらいいか、わからない。

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ただ一つだけ、わかるのは。

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櫻井さんを好きになってしまった、ということだけ…