きっとまた逢える 2 (ページ17)

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55 罰＊翔＊ページ17

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翔「未来、…」

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俺は、ユウイチの言葉を噛みしめる。

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…どうして、俺だけ

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俺一人だけ、記憶を宿したまま

生まれ変わってしまったんだろう

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Aさんは、何も覚えちゃいない

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俺のことも

俺と愛し合ったことさえも

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Aさんにとっては

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俺が想うほど

ずっと二人で共有していたい、

大切にしたい記憶じゃなかった

ということなんだろうか

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それとも

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俺一人だけで

記憶を留めていなければならなかったことには

何か、理由があるんだろうか

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神なんて不確かな存在を

信じている訳ではないけれど

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運命とか

宿命とか

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そんな大きなものから

俺に対して与えられた

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何らかの罰なんだろうか

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こんなことなら

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俺じゃない

他の誰かを愛した君を黙って見ているしかない

孤独な世界ならば

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幸せだった頃の

満たされた時間の記憶なんて

残ってなければよかった

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Aさんに

出会わなければよかった

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飛び交うみんなの楽し気な声が、こんなに側にいるというのに、やけに遠くに感じる。

音として認識してはいるけれど、それはもはや、意味を成さないそれでしかなかった。

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まだ全然酔ってもいないのに、どうしようもなく自分が情けなくて、泣けてきて。

目と鼻の奥に沸き上がったものを逃すために、俺が大きく息を吐いて新しいグラスを掴むと。

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目を輝かせたままのヒカリちゃんが、無邪気としか言いようのない、弾むような声で言った。

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ヒ「櫻井さんは、彼女とかいるんですか？」

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明るく笑うヒカリちゃんのすぐそばで、俺を見ただろうAさんの視線を感じた。

チラリと視線を送ると、お互いの目が合って。

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一旦合った視線を俺から外すことができなくなって、束の間、見つめ合った。

ユウイチの隣のAさんは、息を潜めて俺の返事を待っているように見える。

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俺は。

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Aさんを抱きしめたくてたまらないもどかしさを、どうにか押し留めて答えた。

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翔「…いるよ。彼女」