きっとまた逢える 2 (ページ16)

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54 苛立ち＊翔＊ページ16

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ヒ「ユウイチさん、かっこいい…///」

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マ「うん、まぁ確かに今のがすごくカッコよかったのは認めるけどー。

…ユウイチさんって、そんなこと言ってて自分で恥ずかしくならないの？」

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ユ「……ちょっとマキちゃん…そう虐めないでくれるかな///」

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ユウイチは、耳たぶを真っ赤にして。

それを酒でごまかすかのように、ビールを呷った。

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翔「自分に自信があるんですね」

マ「翔くんどうしたの？

やけにユウイチさんに突っかかるじゃない。笑」

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ユ「いや、俺なんかに興味を持ってもらえるのはありがたいんだけど。

でも俺、特にこれと言って大した恋愛なんかしてきてないからさ。

櫻井くんに語れるほどの恋愛観なんて持ち合わせてなくて、逆に申し訳ないよ。笑」

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翔「じゃあ、もし今、Aさんが過去の恋人に心を奪われていたとしても。

…それは懐かしさという感情であって、決して愛しているわけではない、と」

ユ「そういうことになるね」

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翔「…なるほど。よく理解できました。

すみません、何か変なことを言ってしまって」

ユ「いや、大丈夫だよ」

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俺は、苛立ちを抑えるためにグラスに手を伸ばした。

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一口だけ飲んで、気分を落ち着けようと思っていたのに。

歯止めが効かなくなって、一気にグラスの中のそれを飲み干した。

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ヒカリちゃんは目をキラキラさせて、ユウイチのことをカッコいい、カッコいいと連呼している。

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Aさんは愛されてて幸せだ、とか。

ユウイチさんは大人の男って感じがする、だとか。

私もそういう大人の恋愛がしたい、だとか。

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その、言葉の一つ一つが。

被害妄想だとは分かっていても、世界中の皆が俺を否定しているように感じて、どんどん萎えてくる。

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ユ「櫻井くん」

翔「はい」

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さっきの話だけど、と前置きして、ユウイチは続ける。

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ユ「俺、正直過去の恋愛なんてどうでもいいんだよ。

大事なのは、すでに終わった過去じゃなくて、これから始まる未来だと思うからね」