きっとまた逢える 2 (ページ12)

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50 もしかしてページ12

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ドキドキ落ち着かない思いでここにいるのは、多分、私だけ。

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ヒ「櫻井さん！」

翔「はい」

ヒ「この間は傘をありがとうございました。私、ずっと櫻井さんに直接お返ししたいなぁって思ってたから嬉しいです！」

翔「お役に立てたなら光栄です。でも、別に急いでなかったからタカオに預けてくれたらよかったのに」

ヒ「ふふっ。じゃあ、これ」

翔「はい、確かに。笑」

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櫻井さんの黒い傘が私の目の前を、ヒカリちゃんの手から櫻井さんの手へと横切っていく。

それはまるで、櫻井さんと出会ったあの日にまた、時間が巻き戻されたような光景だった。

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私の隣に、ユウさんがいることを除いては。

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翔「Aさん」

櫻井さんに突然名前を呼ばれて、心臓が思いっきり跳ねた。

いい感じに飴色にクタっとなった大きめの革のトートに、櫻井さんはその傘を無造作に放り込む。

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翔「昨日はごめんね？」

そう言って櫻井さんはニコッと微笑み、私を見た。

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「あ、いえ、…」

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マ「昨日って？」

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普通にしなきゃ、って自分に言い聞かせる。

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でも、昨日二人で会っていたことは私達が口にさえしなければ、この場はやり過ごせるのに。

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この後、櫻井さんが何を言い出すのか。

どういう意図で、そんなことを言い出したのか。

私はそれがわからなくて、胸のドキドキが加速してしまって、上手く返事ができない。

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ヒ「昨日Aさんと会ってたんですか…？」

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翔「うん、ほら。この間俺さ、Aさんを送って行ったでしょう？

あの時すげぇ土砂降りになっちゃってさ、俺が着てたジャケットを傘代わりに貸してあげたわけ。

そしたらAさんがわざわざクリーニングしてくれたって連絡くれて、俺、たまたまその時近くの店でニノと飲んでたからさ。

Aさんに頼んで持ってきてもらったんだよね」

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ヒ「ニノ！？Aさん、ニノにも会ったんですか！？」

「うん、そうなの」

ヒ「すごーい！！」

マ「え！！私ニノのことはわかる！」

ヒ「うっわ。マキさん、櫻井さんのこと知らなかったのにニノだけわかるとか最悪」

マ「違うわよ！翔くんのことを知ってから覚えたの！」

ヒ「どうだか」

ユ「…ってことは」

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ユウさんが、静かに櫻井さんに問いかけた。

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ユ「もしかして、昨日Aと酒飲んでたのって、櫻井くん達？」