また、アシタ (3)

▽ ページ38

亜嵐「ただいま〜」

いつも通りパタパタと足音が聞こえてきて

「パパ！おかーり！！」

そう言って抱きつきにくる海人


『おかえり亜嵐、見てたよMステ、かっこよかった』

亜嵐「いつもでしょ？」


Aに不安を与えないように

Aの前ではできるだけ明るく振る舞う


ご飯を食べて海人が寝て

Aと二人きりの時間


ソファに腰掛けてコーヒーを飲んでた時

『何かあった？』

亜嵐「ん？」

『たまーに暗い表情するから今日』


こいういとこ、ほんとAにはかなわない


何も言えずにいると

ギュッと抱きしめてくれるA


Aはいつもこうして言葉に頼らず

抱きしめてくれる


Aのほうがずっと寂しい思いをしてきて

不安で辛いはずなのに


しゃがみこむ背中をさすってくれる

いつもそばにある小さな掌

目に見えない傷跡をさすってくれる

優しい掌


『大好き』『愛してる』なんて

どんなに綺麗に飾られた言葉よりも

その温もりに助けられてた


こうして人は

何もかも上手くいくときより、何もかもうまくいかない時に

大切な存在に改めて気付かされるのだろう


世界中に拍手をもらうことよりずっと大切なものが

ここにはある


二度となくしてから気付ことのないように

こんな俺を愛してくれるAに

その暖かくて優しい温もりに


たくさんのありがとうの気持ちを込めて

ギュッと抱きしめ返した

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