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伊黒小芭内(あさひ) ページ23




『好きです!付き合って下さい!』


勢いだった。
でも、一世一代の告白だった。


「……………重っ。つーかさぁー…」


更に続いた私を否定する言葉の数々は、処理出来ない程で。
見るもの全ての色がなくなる程、私の心を抉った。





入学式、所謂一目惚れをした。
彼は、偶然にも同じクラスで、更には家の方面も同じ。
これはもう、偶然ではなく必然という運命?!なんて、自分でも呆れてしまう程舞い上がっていた。


毎朝彼と同じ電車に乗り、彼の姿を目で追っては、にやつく顔を必死で隠す。

半年間、挨拶しか交わせなかったが、それでも、見ているだけで元気になれ、幸せな気持ちになれた。



そんな日々を送っていたある日の放課後、その日もすれ違う彼にバイバイ、と。なるべく明るく、はっきりを心がけて言った。



「…………コレ、あげる。」

『え…?』



突然差し出された手に受け皿を作ると、そこに少し大きめの可愛らしいピアスが置かれた。


『なんで…?』


私の問いには何も答えず、彼はそのまま歩いて行ってしまった。


ありがとう、慌ててその背中に叫んでも、彼の耳に私の声は届いていないようだった。





それでも、嬉しくて、嬉しくて。
貰ったピアスを胸の前でぎゅっと握り締めながら、空を飛べそうなくらい軽い足取りで帰路に着いた。



期待したんだ。
もしかしたら、彼も少しは私に…と。





翌朝、彼に貰ったピアスをつけて学校に行きたかったが、恥ずかしさと、私がつけるには可愛すぎる物に躊躇した。
考えた末、鞄につけて登校した。


朝一番で彼にいつもの挨拶と、お礼を言ったが、彼は眉間に皺を寄せ「学校には持って来ないで。」と。
嫌な思いをさせちゃったのかな。少しだけ視線を下げ、謝った。



それから暫くしても、彼との距離が縮まる事はなかった。
どうして私にくれたんだろう。日に日に彼の気持ちが知りたくなった私は、ピアスのお礼に手作りのお菓子を持ち、伝えるつもりはなかったのに、勢いで告白してしまったのだった。



ー2→←ー3



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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ユリア(プロフ) - ねぇえええええまって私も聞いてない久々ツク開いたらなんなのこれ何で呼んでくれな(死) (2022年11月1日 22時) (レス) id: 5f1067fe3a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - みおさん» ありがとうございます💖もう少し更新続きますので楽しんで頂ければ嬉しいです💖感謝ァ! (2022年9月25日 20時) (レス) id: 9cf14e7eab (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - あさひゆうひさん» あさひの新作通知もずっと待ってる!待ちすぎて舞ってる💃唯梨さんの実弥読めて私も嬉しかったよ!爆速過ぎて吹いたけどね!笑 いつも感謝ァ! (2022年9月25日 20時) (レス) id: 9cf14e7eab (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - みんなお祝いコメントありがとうっっっ🥰❤️もう書かねェ…!って思ってたけどみんなのおかげで創作意欲が湧きました!今後ともよろおねでっすー💁🏻‍♀️❤️❤️ (2022年9月25日 18時) (レス) id: e4ce53ad81 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 奏海さん» かなみちゃんありがとうね🥰❤️色々落ち着いて戻ってきちゃった🧡🧡🧡🧡 (2022年9月25日 18時) (レス) id: e4ce53ad81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:京華/唯梨/羽糸/ひよ/あさひ x他4人 | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2022年9月21日 11時

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