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あの夢 ページ38

サカゲ視点

「雨かぁ…明日は晴れるかな。」
空は灰色、所々黒い雨雲がある。
距離があってよく見えないが、君がそう呟いたから雨が降っているんだろう。
部屋には学校の課題をやってこなくて怒られて帰ってきた君と、その課題に付き合う僕の二人しかいなかった。
窓枠に組んだ腕を乗せて窓を覗き込む君を見るのはもう3回目、僕が教えようとしていながらあからさまな話題を振ってきて逃げるのだ。
椅子に座る君の机に後ろから覆いかぶさるように手を置いても幽霊のようにするりと抜けていってしまう。
勉強に関しては非真面目すぎるのが君の悪いところだった。
「うんそうだね、早く戻ってきて。」
「…んー…。」
嫌なことには適当な返事をするのも君の悪いところ。
腰まで伸びた長い髪はいつでも綺麗でまっすぐで、見惚れてしまう。
どうせまた話も聞かずに適当な返事をするのだろうと思いはっきりとした大きさで声に出した。
「好きだよ。」
ばっと振り返った君は耳まで、首まで夕日色に染まっていた。
あぁ、外はもう晴れたのかな。


目が開いた。
あの子の顔は見えなかった。
ずっと前から知っているような雰囲気がした。
すごく懐かしい香水の匂いがしていた…気がする。
真っ白いシーツが冷たくて心地良くて、ここは保健室なんだと理解する。
首を寝たまま横に動かすとツユとライドがいた。
そのまま起き上がり、まだ眠気が覚めていなかったが「なにしてんの」と声をかける。
そこからはあまり記憶がない。
すごく眠くて、二人と話してからすぐ二度寝したからだ。
体も疲れていた。
もう一度寝ても、あの夢の続きを見ることはできなかった。

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氷鬼 - ご意見ありがとうございます!やり方を模索してきます! (2021年6月19日 16時) (レス) id: 08c92f6113 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - わかり次第最初の方に入れさせていただきます! (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - すみません画像の入れ方がわからなくて… (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月16日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷鬼ーひょうきー & 水無月の菊&境影 | 作成日時:2021年4月26日 17時

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