飛行試験で出会ったあの悪魔 ページ26
サカゲ視点
今日は飛行試験らしい。
入学してから直ぐに色々な行事があり、ベッドから動かなかった自分には良い運動だがやはり疲れる。
予定と違い世話の焼ける友達も出来たし。
「にんげん〜まるまーる〜♪…」
キクが外へ出る途中隣でずっとよく分からない歌を歌っている。
「キク、その歌何？」
「おま、……校歌も知らねぇでよくこの学校入れたな…」
キクの隣にいたライドに見事に突っ込まれた。
「…確かに、バビルスの校歌は聞いた事がなかったな。」
「馬鹿なの？？？」
自分らは今日も通常運転のようだ。
…通常……？
そんなこんなで飛行試験の場所に着いた。
他の生徒も集まった所で、担任のカルエゴが説明を始めたが、眠くてほぼ聞かなかった。
というか今日は隣にいる目を輝かせている奴に早朝から遅れると電話で叫ばれて気分が悪い。
飛行試験も重なって苛立っていた為、一番を取る気なんてさらさらなかった。
勉強はなんとか出来ているからそれでベト以上は取れるだろうと初っ端から放棄していたのだ。
「スタート！！」という声が聞こえても大きな溜息をついてその場に立ち止まっていた。
あぁもう、どうにでもな______
「体調でも悪いんか？」
まさかまだここに生徒が居たとは。
驚いて振り返ると、背の低い男が立っていた。
''天''と書かれた紙が顔を覆っていた為表情はわからなかったが、声色から心配と困惑が伺えた。
「知っとるか、このレースに臨もうとせん奴は最初からランクが付かないんや。だからあんさんも、早く行った方がええで？」
どうなっても良いとはいえ、ランクが付かないのは非常にまずい。
「そうなんだ…。知らなかったよ、ありがとう。」
そう感情の籠らない声で言うと、顔を覆っていた紙が風でなびき、満足そうに微笑む口がちらりと見えた。
そして深呼吸をした後羽を広げると、その悪魔が今度は驚いた声色で言った。
「わぁ…あんさん羽でかいんやな！羨ましいわ。」
そういえば家族以外の羽なんて見た事がないから分からなかったが、確かに最初扉を飛び出して行った生徒の羽と比べると、自分の羽は倍くらいの大きさだった。
その悪魔も羽を出したので、前も後ろも見ずに思いっきり飛んだ。
…てか、ランクが付かないなんて情報、よっぽど調べ上げないと分からないんじゃ…
思っていたよりゴールは直ぐそこだった。
そしてそのゴール地点には、キクが見えた。
「よし、ゴール…！」
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氷鬼 - ご意見ありがとうございます！やり方を模索してきます！ (2021年6月19日 16時) (
レス) id: 08c92f6113 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - わかり次第最初の方に入れさせていただきます！ (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
きくお - すみません画像の入れ方がわからなくて… (2021年6月16日 20時) (レス) id: 36299c86b0 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月16日 18時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷鬼ーひょうきー & 水無月の菊&境影 | 作成日時：2021年4月26日 17時
